
資産運用は小額から、そしてできるだけ早い時期からはじめることが重要です。
その方法といえば、株、投資信託、外貨やFX、債券、不動産、保険など様々な方法があります。
その中には安易に手を出すと取り返しのつかない失敗をしてしまう金融商品も存在します。
そこで、「将来のために真剣に資産運用をはじめたい」「でも初心者だから少額からはじめたい。」という方のために厳選した3つのオススメ資産運用の手段をご紹介します。
目次
少額OKな厳選の3つの資産運用の方法
オススメする3つの資産運用
- Fintech「フィンテック」で注目度急上昇中のロボ・アドバイザー
- 2017年の法改正で魅力が格段に増す個人型確定拠出年金
- 今世紀最大の金融商品の呼び声高い上場投資信託(ETF)
どれも一般の人にとっては初耳の資産運用商品が多いかもしれません。
しかし、これらは少額から資産運用をはじめる人が絶対に押さえておくべき方法です。
3つの資産運用手法があまり知られていないワケ
これら金融商品があまり知られていないのには2つほど理由があります。
一つは比較的新しい金融商品であるということ。2つ目は金融機関が積極的に販売をしていないということが理由として挙げられます。
「えっ?」
「オススメの資産運用なのに金融機関が積極的に販売しないってどういうこと?」と
思われるかもしれませんが、金融商品は必ずしも良いものがお客さんに売れるものとは限りません。
優れた金融商品の仕組みはできるだけリターンをお客さんに返すために、手数料や運用報酬などのコストが低く抑えられています。
そのため販売会社はセールスのために大きな予算を割くことができない宿命にあります。
「知る人ぞ知る金融商品が良い商品」この記事で最先端の3つの資産運用方法を知ろう!
1-1 Fintech「フィンテック」で注目度急上昇中のロボ・アドバイザー
ロボ・アドバイザーとは自動化ツールや人工知能の多くに意思決定を委ね、個人の資産運用を支援するサービスとしてアメリカで生まれました。
ロボ・アドバイザーの市場は急速に拡大しておりA.T.Kearneyの推計によると2020年には運用資産が240兆円に達するそうです。
米国での大きな成功を受けて日本でも銀行、証券会社、スタートアップ企業から同様のサービスが次々と生まれています。
1-1-1 質問に答えるだけで投資先を選んでくれる
一体どのようなものなのかをご紹介していきます。
複数の質問をユーザーが答えていくと、自動的にユーザーのリスク許容度などを計算して、適した資産配分(ポートフォリオ)を提案してくれます。
質問の回答によって年間で3%の利回りを期待できるような提案だったり、アグレッシブな10%などの提案であったりします。
ロボ・アドバイザーの提案はリスクリターンは大きくなく、年間で5%といった長期投資向けの安定運用の提案が多いです。
その後提案されたとおりに買い付けを行います。実際に購入するものは上場投資信託(ETF)が主流です。
さらにリバランスという資産配分を保つための調整を定期的に自動でユーザーの代わりに行ってくれます。
ポートフォリオの調整、リバランスを自動で
リバランス(再調整)とは例えば米国株式を30%、米国債券30%、日本株式20%、日本債券20%といった配分で100万円を分散投資しているとします。
この時米国株式だけが大きく値上がりして倍(30万円が60万円に)に値段になった場合にはこの配分は崩れ、米国株式の比率は46%になります。
これを30%の配分に保つためには米国株式を少し売却して、その他の資産を購入する必要があります。
これをポートフォリオ(資産配分)をリバランス(再調整)するといいます。
このようにロボ・アドバイザーの最大のメリットは「簡単」という点にあるでしょう。
1-1-2 手数料は年間1%程度
ロボ・アドバイザーは運用をサービス会社にお任せするという「投資一任契約」の形態をとった資産運用サービスです。
そのため、手数料の体系はほとんどの場合は資産運用する金額に対して年間○%という形で徴収するのが一般的です。
大体のサービスは0.3%~1.0%前後が通常です。
サービス利用料として年間1%程度徴収
100万円の運用 → 年間 1万円程度
1-1-3 自分の判断で自由に売買できない
このサービスは基本的には資産配分のルールなどは変更することは可能ですが、ポートフォリオを構成する特定の投資商品だけを売るなどはできないのが一般的です。解約等はいつでも自由にできます。
簡単に高度なポートフォリオ運用ができる反面、自らの意思で機動的な売買ができないのが特徴です。
1-1-4とにかく簡単にはじめたい人はロボ・アドバイザー
とにかく簡単にはじめたい方には最も適した方法と言えるでしょう。
1-1-5 ロボ・アドバイザーのはじめ方
このように投資初心者でも、アンケートに答えていくだけで高度な金融工学に基づくポートフォリオを瞬時に提案してくれ、そのまま買い付けができ、その後の管理までしてくれるので日本でも注目を集めサービス開始する会社がどんどん増えています。
選び方3つポイント
「質問の内容」「提案するポートフォリオ」「運用コスト」でそれぞれ違いがあります。どれもはじめ方は簡単ですが、選ぶポイントとしてはこのような点に気をつけるといいかもしれません。
- リバランスなどの便利な機能
- ポートフォリオに組み込まれる資産
- 運用コスト
1.リバランスなどの便利な機能
「リバランスは必須。その他の機能と最低投資金額も」
ロボ・アドバイザーはポートフォリオを提案して買い付けるだけでなく、その後のポートフォリオ内の資産価格の上下によって、リバランスという本来の資産配分を保つために調整する機能があります。これは必須の機能です。これに加えて例えば積立ての機能など便利な機能があるかないかはサービス選択においては要チェックです。
少額からスタートできるかどうかの最低投資金額も重要です。
2.ポートフォリオに組み込まれる資産
「種類は多い方がいい。注意点は為替リスクを考慮」
ポートフォリオ組む対象資産として主に公募型投資信託や海外ETF(上場投資信託)を対象にしています。
基本的には対象とする資産の種類が多い方が良いでしょう。
対象資産がドル建てのものである場合などはその金融資産を購入する前にドルを購入しているので為替リスクを念頭に置く必要があります。
提案されるポートフォリオの推定される期待値が為替リスクを考慮したものなのかどうかは確認する必要があります。
3.運用コスト
「当然低い方がいい。隠れたコストがないかどうかを確認。」
年額の運用報酬は当然安いにこしたことはありません。
但し、実際にかかっているコストが本当に運用コストだけなのかどうかは確認する必要があります。例えばポートフォリオの中に投資信託が組み込まれる場合には、投資信託自体にかかっている信託報酬や買い付け手数料の有無などです。これが高く設定されているようなものは避けた方がいいかもしれません。一般的に信託報酬が低いETF(上場投資信託)を対象としている場合でも買い付け時にかかるコスト(ドルの両替も含めて)などをチェックした方がいいでしょう。
ロボ・アドバイザー 比較2016年7月21日時点 執筆者調べ
サービス名 | 便利な機能 | 対象資産 | 運用報酬 |
THEO(テオ) (お金のデザイン) | リバランス 最低10万円 | 海外ETF約40種類 | 年率1% 買付け手数料0 元本為替リスク有 |
ウェルスナビ | リバランス デタックス 積立機能 最低100万円 | 海外ETF6,7種類 (2016年1月18日付発表) | 年率1% 買付け手数料0元本為替リスク有 |
楽ラップ 楽天証券 | リバランス 最低10万円 円建ての投資信託 | 15種の投資信託 (2016年7月2日付発表) | 最大年率0.99% (組入予定の投資信託の信託報酬を予定投資比率で加重平均した場合の上限目標値) |
8NOW エイト証券 | リバランス 最低88米ドル | 米国ETF15種類 | 年率0.88% 買付け手数料0 元本為替リスク有 |
ここで説明しているロボ・アドバイザーとは単なる投資信託のポートフォリオを提案するだけでなく一任契約でサービス提供をしているものを指しています。
そのため大手銀行や証券会社が提供している投資信託を選ぶための情報サービスは含めていません。
注意点と選び方補足
今のところロボ・アドバイザーが投資対象としている先は海外ETFが主流です。
もともと元祖であるアメリカのモデルをベースにしているため、海外ETF(特に米国)にならざるを得ないのでしょうが、この場合どうしても為替リスクは付きまといます。
この点をどう考えるかはとても重要かと思います。(米国のETFを購入するということはドル資産を持つということなので、円高になれば円換算した時の売却益は減少する)
また、現在のところ証券会社系と独立スタートアップ系などが存在します。
大きな金額を一つのところに全て預けて運用するのが心配であれば複数のサービスに分けて利用するというのも一つの手かもしれません。
日本ではまだ新しい分野なのでこれからサービスを開始する金融機関は間違いなく増えてくることでしょう。
種類も豊富で10万円からスタートできる国内のロボ・アドバイザーサービスとしては先行しているTHEO(テオ)などは初めて取り組むには敷居も低くおススメです。
・質問に答えるだけで投資先を選んでくれる
・手数料は年間1%程度
・自分の判断で自由に売買できない
・とにかく手軽にはじめたい人はロボアドバイザー
・選び方のポイントは「機能」「対象資産」「運用コスト」
・為替リスクは気にしよう。
1-2 2017年の法改正で魅力が格段に増す個人型確定拠出年金
さて、次にご紹介するのは「個人型確定拠出年金」です。
オススメする3つの資産運用
- Fintech「フィンテック」で注目度急上昇中のロボ・アドバイザー
- 2017年の法改正で魅力が格段に増す個人型確定拠出年金
- 今世紀最大の金融商品の呼び声高い上場投資信託(ETF)
この個人型確定拠出年金をオススメする理由は2017年1月から大きく制度が改正されるためです。これによって対象が大きく拡がることで魅力が格段にアップします。
2016年5月24日に衆院本会議で成立可決、2017年1月から専業主婦や公務員、企業年金に加入している会社員の計2600万人超が個人型の確定拠出年金を利用できるようになります。
拠出できる金額は、専業主婦で年27万6千円、公務員は14万4千円が上限額になります。
そもそも「年金」なので資産運用のイメージというよりは「保険」に近いイメージかもしれません。広義の意味で資産運用は将来に備える投資あるいは貯蓄活動という意味で、この個人型拠出年金制度は皆さんに絶対に知っておいてもらいたい制度です。
図は厚生労働省の確定拠出年金(DC)に関するご案内より
毎月決まった額を口座から引き落とされ、そのお金で金融商品を保有し、60歳になったら受け取ることができるというものです。
これだけだと、「60歳まで引き落とせない不便な積立型の投資商品じゃないか」と思われるかもしれませんが、その他に圧倒的なメリットが存在します。
1-2-1 税制控除が圧倒的メリット
この税制優遇制度が最大のメリットです。この部分は最強だと思います。
3つの税制優遇措置
掛金が全額所得控除されます
たとえば、毎月2万円ずつ掛金を拠出した場合、税率を20%とすると年間4万8千円
(仮に35歳から60歳までの25年間掛け続けると総額120万円)の節税効果となります。
運用益も非課税で再投資されます
通常、金融商品の運用益には税金(源泉分離課税20.315%)がかかりますが、
個人型拠出年金の運用益は非課税です。
※積立金には別途1.173%の特別法人税がかかりますが、現在まで課税が凍結されています。
受け取る時も税制優遇措置があります
老齢給付金を一時金として受け取る場合は「退職所得控除」、
年金として受け取れる場合は「公的年金等控除」という大きな控除を受けられます。
1-2-2 月額買い付け上限がある
ただし、この制度は月額拠出するには限度額が存在します。
例えば30歳サラリーマンで企業年金に加入していない方の場合には月額2.3万円まで。
つまり大きな金額をこの制度を利用して資産運用することはできません。
積立に近い運用の考え方なので、ボーナスなどで得た資金100万円などを運用する場合には他の手段と併用する必要があります。
1-2-3 年金なので原則60歳までお金は戻ってこない
原則として途中解約をしたとしても受け取りは60歳からになります。
良い面として捉えるとするならば、強制的に将来のための貯蓄ができると言えるかもしれません。
1-2-4 老後のために貯蓄したい人は個人型確定拠出年金
将来のために少額づつ積立をしながら、給料などから引かれる税金を少しでも下げたいという方にとっては利用価値がとても高い制度です。
まとまったお金を運用したいという類のものではありませんし、これだけで将来安泰というものではありませんが他の資産運用と並行して利用するのがよいです。
1-2-5 個人型確定拠出年金のはじめ方
はじめるためには取り扱っている金融機関を選ぶ必要があります。
銀行や証券会社などかなり多くの金融機関で加入することができますが、それぞれ拠出したお金で投資できる金融商品の種類は信託報酬などに違いがあります。
ここが最も重要な部分と言えます。
金融機関の選び方 「商品の種類と信託報酬」
個人型確定拠出年金は管理報酬として金融機関によって異なりますが大体月額500円程度の費用がかかります。これはどこも似たような金額ですのであまり重要ではないです。
個人型確定拠出年金は積立てたお金を自らが投資する先を選ぶ必要があります。その中には元本確保型のものもありますし、投資信託のようにリターンを追求していくものもあります。
金融機関を選ぶ時のポイントは取り扱っている商品の種類も重要です。
その多くは投資信託ですが、各社取扱の商品は異なり信託報酬にも違いがあります。
長期運用の場合、この信託報酬は隠れたコストとして非常に重要となりますので事前にチェックしましょう。
URL:http://www.dcnenkin.jp/search/product.php
取扱商品数上位5機関(2016年7月15日時点)
商品数でトップ5の金融機関と投資信託報酬の平均値を参考までに表示します。
各社まったく同じ金融商品を扱っている訳ではないですし、商品によって信託報酬は異なりますのでこれだけで判断はしないでください。あくまで参考として頂き詳しくは各金融機関に必ずご確認ください。
2016/07/15時点での商品数の多い金融機関
商品数 | 平均信託報酬率(%) | |
SBI証券 | 48 | 0.69 |
スルガ銀行 | 33 | 1.23 |
りそな銀行 | 33 | 0.77 |
野村証券 | 32 | 0.96 |
広島銀行 | 29 | 1.17 |
個人型拠出年金ナビ 運営:特定非営利活動法人 確定拠出年金教育協会のデータを利用し作成 2016/07/20時点
これから個人型拠出年金向けに各社サービスを拡充してくることが予想されます。
乗り換え等も大変なので、実際に選ぶのは出揃ってからの来年になってからで良いでしょう。
現時点ではサービスラインナップだけで判断するとSBI証券がオススメです。
金融商品は自分で選ばなければならない
元本確保型、国内株式型、外国株式型、債券型などの配分等については自分で選ばなければなりません。リスクを抑えて、税制控除の部分だけのメリットを受けたいのであれば元本確保型の商品だけでもいいかもしれません。
一般的には冒頭にご紹介したロボ・アドバイザーのように分散投資をします。
株式系の投資信託を多くすればリスクリターンは大きくなりますし、債券系などの比較的安定資産の比率を多くすることでリスクリターンは小さくなります。
この点についても各金融機関で情報等も提供しているはずですから、確認してみると良いでしょう。
- 2017年1月から魅力が格段に増す個人型確定拠出年金
- 税制控除が圧倒的メリット
- 月額買い付け上限がある
- 年金なので60歳までは原則お金は戻ってこない
- 老後のために貯蓄したい人向き
- 金融機関を選ぶ際には商品の種類と信託報酬に注目すべき
- 金融商品は自分で選ばなければならない
1-3 今世紀最大の金融商品の呼び声高いETF(上場投資信託)
オススメする3つの資産運用
- Fintech「フィンテック」で注目度急上昇中のロボ・アドバイザー
- 2017年の法改正で魅力が格段に増す個人型確定拠出年金
- 今世紀最大の金融商品の呼び声高い上場投資信託(ETF)
最後にご紹介するのはこれまで何度かキーワードとして出てきた「ETF」(イー・ティー・エフ)です。
Exchange Traded Fundの略で投資信託と株式の両方の良い側面を持つ上場投資信託とも呼ばれるものです。
これまでご紹介してきた資産運用の方法の中でも最もおススメしたい手段です。
成長著しい金融商品で、今最もホットといっても過言ではない金融商品かもしれません。
投資家の人気を集めるETFの3つの特徴
- 多様な資産クラスへ1万円から投資が可能
- 手数料が低く透明性が高い
- いつでも売買可能
1-3-1 多様な資産クラスへ1万円から投資が可能
ETFは全世界で2000以上の種類が上場しています。組み入れる原資産の種類も豊富で金、原油、株式、債券、不動産と地球上のほとんど全ての資産クラスへの投資が実現できます。
つまりETFを活用するだけで個人でもプロレベルの投資環境を手に入れることができます。
1-3-2 手数料が低く透明性が高い
ETFは一般的な投資信託と比較して信託報酬が低いです。
例えば世界最大の純資産を誇るアメリカ株式を対象としたETFである
「SPDR® S&P500® ETF Trust(SPY)」の信託報酬は0.09%です。
確定拠出年金で少しご紹介した投資信託報酬の5社の平均が0.69~1.17%だとするとこの低さは際立っていると思います。
また、投資信託の運用報告は4半期ごとですが、一般的なETFの場合は毎日公開しています。
「ETFがロー・コストを実現出来ている理由は、ひとことで言えば、そもそもETFの会社にはファンドマネージャーが居ないからです。
それは別の言葉で言えば「外部化」しているという風にも言い直せます。」
広瀬隆雄氏より引用
URL:https://www.etf-gateway.jp/beginner/mechanism/より
1-3-3 いつでも売買可能
取引所に上場している投資信託ですので、通常の株式と同じルールで売り買いを自由にすることができます。
この柔軟性があることでETFは長期投資だけでなく、様々な投資目的をもって取引されます。
<日本の取引所で取引できる代表的なETF>
日経225連動型上場投資信託【日経225ETF】
純資産額約3兆円 2016年7月15日時点
日経225連動ETFで純資産最大規模のETFです。東証1部に上場する225銘柄で構成される日経平均株価指数に連動しており東証に上場しているため。通貨は日本円表記、日本時間で取引することができます。
<米国の取引所で取引できる代表的なETF>
SPDR ®S&P 500® ETF【S&P500ETF】
純資産額約20兆円 2016年7月15日時点
S&P500®関連ETFの中でも歴史が長く、人気の高いスパイダーETF。米国株式に投資をするならこれ!といっても過言ではない銘柄です。
世界的に有力な企業群で構成され、米国大型株ETFの中では取引高が最大です。
※インヴァスト証券のトライオートETF銘柄リストより
1-3-4 ETFは海外の方が魅力的
このロボ・アドバイザーの投資先としても利用されるETFですが、残念ながら海外ETFの方が種類も豊富で投資家からは人気が高いです。
運用資産残高231兆円を誇る米国に対し、残念ながら日本は約10兆円のそのほとんどが日経225ETFなどの日本株投資を目的としたものです。
日本市場を対象としたETFであれば日本の取引所で購入するのがベストですが、海外を対象とした場合には海外ETFの方がおススメです。
<過去20年のアメリカを対象としたETFと日経225の上昇率の比較>
1-3-5 海外ETFは円高の為替リスクに注意
日本からも海外専用口座を作り海外ETFを取引することができます。
この際には為替リスクに気を付ける必要があります。
この点をあまり理解せずに始められる方が多くいらっしゃるようですが、例えば米国のETFを購入する場合にはまず投資元本である円をドルに両替してから、ドル建てのETFを購入します。
そのため、購入したETF(ドルベース)が値上がったとしても売却時に円高になると円換算した時に元本を下回ることがあります。
反対に、円安になると円換算の利益を大きくなります。
つまりETFの値動き以外にも為替のことを考える必要があります。
<1ドル120円の時に購入。400ドルの利益が出た場合。元本1000ドル。>
売却時レート | 60円 | 80円 | 100円 | 110円 | 120円 |
円換算の利益 | ¥-36,000 | ¥-8,000 | ¥20,000 | ¥34,000 | ¥48,000 |
1-3-6 投資力を身につけたいならETF
さて、このETFはどんな人にとってメリットがあるのでしょうか?
これまで紹介したロボ・アドバイザーや個人型確定拠出年金とは異なり、自由度が高い投資ができます。
長期安定運用をすることもできれば、短期で大きなリターンを狙いに行くような投資もできます。
公益事業セレクト・セクターSPDR® ファンド 2016年7月時点で年間約20%上昇したETF
米国公益事業関連の大型株で構成されるETFで、電力、ガス、水道企業のほか、独立系発送電事業等を行う企業で構成されています。
アメリカ株に投資するのか、アメリカのテクノロジー株に投資するのか、はたまた中国経済に投資するのかなどを自分で判断するため投資力を養うことができます。
一度ETFの事を理解してしまえばあらゆる資産クラスへのアクセス権を手にいれたようなものですから資産運用の大きな武器になることは間違いありません。
実際に、今では多くの保険商品や年金基金などのプロ機関投資家のにはなくてはならない商品となっています。
これからさらなる市場規模の拡大や新しいETFもどんどん出てきていることから主体的に資産運用をされたい方には最もオススメしたい方法です。
1-3-7 海外ETFのはじめ方
国内に上場しているETFなら普通の株式口座で普通の株式と同じように売買することができます。しかし、海外ETFの場合には海外専用口座を開設する必要があります。
また、国によって分ける必要もありますが、海外ETFで最も押さえるべきは世界の7割のシェアを占める米国ETFなのでここでは米国ETFに特化してご紹介します。
手数料で比較
海外ETFを扱っている証券会社はほとんどどの会社もメジャーどころのETFは当然押さえています。そのため、ETFの種類というよりもその他の手数料で比較するといいかもしれません。
マネックス証券、SBI証券、楽天証券などネット証券会社の手数料が安いです。
その中でもマネックス証券は特に米国株口座に力を入れているようで手数料は最も低くおススメです。
最低手数料 | 為替手数料 | |
マネックス証券 | 5.25米ドル | 25銭 |
SBI証券 | 26.25米ドル | 25銭 |
楽天証券 | 26.25米ドル | 25銭 |
いずれの証券会社でも1口から購入することができますが、最低手数料がかかってしまうため、1口100ドルのETFを購入すると、約5%の手数料代金がかかる計算になります。
少額から取引することが可能ですが、その場合には手数料率が高くなりすぎることがあるので、100万円などのある程度まとまったお金で取引するのが合理的でしょう。
1-3-8 少額でもメリットが大きく為替ヘッジもできる方法
インヴァスト証券が2016年4月から「トライオートETF」という「差金決済」という一風変わった仕組みを利用して海外ETFを提供しています。
世界中のETFを円ベースで取引することができ、海外ETFに付きものの元本為替リスクを排除しているサービスです。
また、現物の海外ETFにあるような最低手数料等の手数料がないため、1口1万円からの少額のETF購入にも適しています。
経済的な便益はほとんど同じですが、形態が現物ETFを保有する仕組みではないため、「差金決済」の仕組みを理解してからはじめた方がいいでしょう。差金決済の場合には数々のメリットもありますが、為替ヘッジコストとして金利調整額がかかるのが一般的です。
自動売買機能も提供しており海外ETFを対象とした面白いサービスも出てきています。
初心者で小額から海外ETFをはじめるにはおススメのサービスです。
投資は初めてなので大損しないか心配、という方に最適のサービス
【2017年7月30日 追記】投資に興味はあるけど今までやったことがないので、大きな損をしないかやっぱり不安があるでしょう。そんな方におすすめのサービスが、トライオートETFを利用して積み立て投資ができる「マネーハッチ」です。いくらリスクが小さい金融商品であっても、一度にまとまった資金を投資してしまうとその元金に対して損益が発生します。でも、毎月少額ずつ投資しながら購入価格を平準化できる積み立て投資ならばリスクも分散されるので、初心者が長期投資をするのに適しています。マネーハッチでは、高パフォーマンスのETF自動売買に毎月1,000円程度から積み立て投資することができるのです。
3つの厳選資産運用の方法まとめ
さて、これまで3つの資産運用の方法をお伝えしてきましたが参考になりましたでしょうか?
どれも1~10万円からはじめることができ、初心者でも大きすぎるリスクを取ることのないサービスをご紹介してきました。
投資は少額から、しかもなるべく若い時期からはじめておくことが最も重要です。
退職金などの大きなお金を手に入れた後から資産運用の勉強するのではなく、できれば30代あるいは20代の時期に少額から経験をしておくことが重要です。
資産運用は人生において必ずどこかの時期で全ての人が通る道です。
「少額から、早い時期から経験する」
途中で失敗もあるはずです。ですから、大きな失敗にならないように少額から少しづつ経験を積んでいくことが重要なのです。
今回はそのために最適な資産運用方法を3つご紹介させて頂きました。
オススメする3つの資産運用
- Fintech「フィンテック」で注目度急上昇中のロボ・アドバイザー
- 2017年の法改正で魅力が格段に増す個人型確定拠出年金
- 今世紀最大の金融商品の呼び声高い上場投資信託(ETF)