女性人材? 設備投資促進? 追加金融緩和「年間3,000億円買い入れETF」の正体

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日本銀行は金融緩和政策の一環として、株価指数連動型上場投資信託(ETF)の購入を行っています。具体的には、2014年10月31日の金融政策決定会合において、ETFを年3兆円買い入れることを決定しました。

また、2015年12月18日の金融政策決定会合において、現状の金融緩和を補完する新たな制度の導入を決め、ETFの購入額を年3兆円とは別に、年間3,000億円程度の購入拡大を行うことが決まりました。実際には2016年4月から日本銀行が過去に買い入れた銀行保有株の売却を行うことに対処する措置であり、新たなETFの買い入れは売却に伴う市場への影響を打ち消すことが狙いとなっています。

ETFの買い入れ対象幅が拡大へ

これまで日銀によるETFの購入は、日経平均株価指数に連動するETFが主流でした。現在ではこれに加えてJPX日経インデックス400に連動するETFの買い入れも行っています。JPX日経インデックス400とは、JPX(日本取引所グループおよび東京証券取引所)と日本経済新聞社が、2014年1月6日から公表を始めた新たな株価指数です。資本の効率的活用や安定的に利益を上げられる企業のうち、グローバルな投資基準に求められている一定の基準をクリアした400社から構成される株価指数であることから、公表当初から注目を集めていました。

2015年12月18日の追加金融緩和決定段階では、こうしたETFとは別に、設備や人材に積極的に投資を行う企業の株式を組み込んだETFを追加購入の対象とすると説明していました。ただし、現状では、上記のJPX日経インデックス400に連動するETFを購入対象とし、趣旨に合致する新規のETFが組成された場合には購入対象とするとされています。

こうした発表もあり、各運用会社では日本銀行の買い入れ対象に適したETFの開発を進めています。2016年4月上旬には、野村アセットマネジメントと大和投信が、設備や人材に積極投資する企業の株式を組み込む新型ETFの上場を東京証券取引所に上場申請したと報じられました。また、日興アセットマネジメントとDIAMアセットマネジメントの新型ETFは、5月下旬から6月の上場になりそうだといわれています。三菱UFJ国際投信も商品開発を急いでいるとのことです。

こうした各運用会社の取り組みにより組成される新型ETFでは、保育支援や女性登用といった国策に沿った部分に力を入れている企業や、賃上げや設備投資に積極的な企業が多く組み込まれるのではないかと予想されています。各社どういったETFとなるのかは待ち遠しい限りです。

日銀のETF購入は下支え機能として役割を果たす

これまでもそうですが、こうした日本銀行のETF購入は株式市場に一定の安心感を与えるとともに、株式相場が荒れた展開となった場合でも下支え機能を果たしています。そのため、今後も市場全体の株価の安定に一定の効果をもたらすことでしょう。

安倍首相は、保育充実や女性登用促進を国策として掲げています。賃金に関しても毎年ベースアップを要請し、それに応えた企業には所得拡大促進税制により法人税減税も行っています。

こうした内容からいえることは、国策に沿った行動を取る企業に対しては税制面だけでなく、株価でも恩恵がありそうだということです。今後新たに組成されるETFを日本銀行が購入することで、保育支援や女性登用促進を行う企業の株式も間接的に購入されることになります。そのため、国策に沿った行動を取る企業の株価は日本銀行による買い支えが期待できることになり、株価も堅調に推移する可能性があります。

年間3,000億円という金額は非常に大きく、新型ETFはさらに規模が大きいものとなることでしょう。今のうちに該当しそうな企業を探して投資しておく先回り買いを行うことで、リターンを得るチャンスとなるかもしれません。