どちらが有利? パッシブ運用とアクティブ運用を徹底比較

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(写真=PIXTA)

 投資の世界でよく用いられている「インデックス投資」という言葉を、あなたは耳にしたことがあるでしょうか。
日経平均株価のような指数に連動する投資信託(インデックス・ファンド)やETF(指数連動型上場投資信託)に投資することで、その市場の平均的なパフォーマンスを手堅く享受するという手法です。

 

パッシブ運用とアクティブ運用を比較

こうしたインデックス投資は「パッシブ運用」ともよばれる運用手法で、古くから機関投資家の間で広く用いられてきました。
最近は、個人投資家にも浸透してきているようです。
つねに市場で効率的な取引が行われ、市場の情勢に最も適したポートフォリオを組んだと仮定すれば、もたらす収益は市場の平均値と同等になるというのが投資理論上で導かれる答えだからです。

一方で、パッシブ運用とは対極に位置づけられる手法も存在しています。
それが「アクティブ運用」とよばれるもので、あらかじめ定めた運用方針に基づいて特定の指数を上回る投資収益をめざします。

現実の市場ではたくさんの投資家のさまざまな心理が交錯することから、必ずしもつねに効率的な取引が繰り返されているとは限りません。
そうすると、実勢よりも割高・割安な価格形成となっているケースも生じてきます。
アクティブ運用は、そういった価格形成の“歪み”に着目することでインデックスを凌ぐパフォーマンスを追求するわけです。

こう説明されると、多くの人はパッシブ運用よりもアクティブ運用のほうが魅力的だと感じるかもしれません。
しかしながら、アクティブ運用は必ずパッシブ運用に勝る成果が得られるという保証はありません。
現に、インデックスを上回るどころか、逆に下回る結果に甘んじることになるケースも少なくありません。

つまり、思惑通りの成果が得られればインデックスに勝てる反面、運用担当者の読みが外れて不本意なパフォーマンスしか得られないこともあるのがアクティブ運用の難点なのです。
加えて、パッシブ運用と比べて銘柄の入れ替え(売買)が頻繁になることもあって、アクティブ運用のほうが運用コストも大きくなりがちで、その分だけ投資家の手数料負担も増します。

一方、パッシブ運用はインデックスに勝つことは望めないものの、下回ってしまうという可能性は排除されています。
運用コストも相対的に低く、手数料負担による収益の目減りも限定的だといえるでしょう。

 

どちらが有利かは判断できず「一長一短」あり

ただし、前述したように実際の市場では非効率的な取引によって不適切な価格形成となっていることもあり、そういった傾向が顕著になるとインデックス投資であるパッシブ運用は形勢が不利になってきます。
また、インデックスの構成銘柄が大幅に入れ替えられた場合、パッシブ運用ではそれに対応した機械的な売買を迫られることになり、自らの動きが価格形成に歪みを生じさせることもありえます。

結局、それぞれに一長一短があり、どちらが有利かという観点からの論争は決着がつきそうにありません。
ただ、理論的には市場が成熟して洗練されてくると、効率的な投資行動が主流を占めてくるものです。

たとえば、世界最大規模でグローバルに資金が出入りしている米国市場では、より効率的な価格形成が行われているといえるでしょう。
対照的に、まだ市場規模が小さくインサイダー情報なども横行しがちな新興国市場では、非効率的な投資行動も目立ちます。

それは、米国をはじめとする先進国市場ではパッシブ運用が比較的優位に立つ可能性が高く、まだ取引の効率性が高いとはいいがたい新興国市場ではアクティブ運用が奏功する可能性が高いということなのかもしれません。

  

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