
皆さん、アクティブ運用とインデックス運用という言葉をご存知でしょうか?
アクティブ運用とは・・・ファンドマネージャーと呼ばれるプロの投資家によって行われる投資手法。ベンチマークとするインデックス(S&P500や日経平均株価など)を上回るパフォーマンスを目指します。様々なアプローチがありますが、多方面の切り口から企業を分析し、現在割安な銘柄や今後好調な業績を見込める企業を見つけ出し、それらの「有望企業」に重きを置いた投資を行うのが一般的。マーケット環境や業績の変化によって銘柄の入れ替え等も行うため、「分析」「選定」「売買」「管理」それぞれにコストがかかり費用(信託報酬)が割高になります。モノ言う投資家として知られる「アクティビスト」と呼ばれるようなファンドもこちらに入ります。積極的にリターンを追求するそのアグレッシブな姿勢は、映画に出てくる「ヘッジファンド」「投資家」そのもの。ギラギラした怖そうな人がいっぱいいそうなイメージなのがこちら。(※そうじゃない人も沢山います)
インデックス運用とは・・・パッシブ運用とも呼ばれるこの運用は、アクティブ運用にかかる「アクティブコスト」を払ったところでベンチマークを超過するリターンは得られないという考えに基づき、そもそも市場は効率的であり拡大するという前提のもと、S&P500や日経平均株価といった指標そのものに連動し、市場の成長と同じリターンを目指す運用です。ファンドマネージャーへの報酬等を含む一連のアクティブコストがかからないため費用(信託報酬)が割安となります。例えパフォーマンスが上がっても下がっても銘柄の入れ替えは行わず、指標の見直しがあった時にだけそれに合わせてリバランスを行います。先ほどのギラギラした運用手法とは真逆でのーんびりのほほんと構える草食系男子、というイメージでしょうか。
この2つの手法の一体どちらがより優れているのか、という議論は大昔から今日まで続いており、未だにその結論は出ていません。驚くほどのリターンを出すアクティブファンドは毎年必ずありますし、アクティブ運用を専門にするファンドや投資信託も無数に存在する一方で、インデックス運用の人気も高まっており、対象となる「市場の成長をより効率よく反映する指数」が次々に誕生しそれに連動するファンドや投資商品も沢山出てきています。
ETF(Exchange traded fund/上場投資信託)は、このインデックス運用の最たるもので、様々なインデックスに連動する投資信託が証券取引所に上場した商品なのですが、これまでは銀行や証券会社、対面営業等でしか取引できなかったものが直接マーケットで売買できるようになった事から更にコストが安くなった上、ベンチマークの指数に準じた銘柄を機械的に保有するため分析その他もろもろのコストも抑えられパッシブ運用の効果が更に発揮される仕組みになっています。超エコな草食系男子、みたいな。
でも、インデックス(指数)に投資ってことは業績も何も研究していない訳だし、景気には好況も不況もあるから、トータルで見るとあんまり成長しなそうに聞こえるけど・・・きちんと信託報酬を払ってプロの人たちに本当に成長する銘柄をしっかり選んでもらう投資(アクティブ運用)の方が、リターンは大きくなるんでしょ?だったら少しくらい手数料がかかっても、運用である以上リターンが多い方が良いから、もし充分に投資資金があるならアクティブ運用の方が良いわ。
そんな声が聞こえてきそうですね。
このグラフは、過去15年のインデックスファンドと、アクティブファンドの成績を比較したものです(モーニングスター調べ)。ご覧の通り、なんと過去15年間で、アクティブファンドがインデックスファンドより多くの好成績を残した回数は、たった4回しかないのです。高いコストを払っていても、アクティブファンドがインデックスを上回るパフォーマンスを出すのは容易ではないということが、数字にも表れています。もちろん、ファンドによってはアクティブ投資で驚くほどの運用結果を出し続けているところも存在するかもしれませんが、世界中にファンドも投資商品も星の数ほどあり、その中から必ず上がるものを見つけるのは、絶対に上がる個別株を見つけるのと同じくらい困難です。
過去15年、国内株式型アクティブファンドの半数以上がインデックスを上回った年は何回?
(モーニングスター調べ)
もうジタバタせず、ETFで「インデックス運用」しませんか?