
株式投資の世界でも人口知能がキーワードとして騒がれるようになってきました。投資信託の世界では、日本でも昨年AIをテーマとした投資信託が販売されています。
また、AIを使って運用するという投資信託も販売され始めて人気商品となっています。
アメリカのETFの世界でもAIをキーワードとしたETFが上場しています。
世界的に影響を持つAIの技術を持っているのはやはりアメリカのグローバル企業ではないかと思います。
リポーツンリポーツ社のレポートによりますと、AI市場は2014年の4.2億ドルから2020年までに50億ドルへ成長すると言われていますが、その中でAI技術の分野で世界を牽引する企業の一部としては、IBM, マイクロソフト、グーグル、モービルアイ(インテルに買収されることが決定)などが挙げられています。それ以外にも、フェイスブックや、アマゾンなどもAIの技術を活用し、世界的に事業を展開しています。
私たちにとって親しみやすいAIの技術を活用している企業の例としては、アマゾンがあげられるでしょう。アメリカでは2015年に発売されて以来大ヒット商品となったアマゾン・エコーと呼ばれる人工知能搭載スピーカーが良い例です。アップルのSIRIはiphoneだけでしか利用できないのに対して、アマゾン・エコーは似た機能を独立したスピーカーとして発売しました。
このマイクのついたスピーカーを通して、簡単に音楽、ニュース、天気予報、株価を聞いたり、また、クイズのやり取り、また音声でメールを送るなどができますが、そのような機能は現在1000を超えており日々増えています。お掃除ルンバもアマゾン・エコーを通して音声で動かすことが可能となりました。このアマゾン・エコーの膨大なデータはアマゾンの事業の一つのAWSと呼ばれるクラウドに保存されており, WIFI経由でリアルタイムでデータのやり取りがされています。このアマゾン・エコーは、現在アメリカ、英国、ドイツ等で発売されていますが、年内には日本でも発売されるのではないかと言われています。
また、日本での大きく報道されましたのでご存知の方の多いのではないかと思いますが、アマゾンはアマゾン・ゴーと呼ばれる無人コンビニの技術を発表し、現在シアトルで従業員向けに試験しています。買い物で一番面倒なのは、支払いの際レジで待たされるところかと思います。アマゾン・ゴーの店舗には、至る所に備えられたカメラ、センサー、マイクがお客さんの商品を取り上げたという動きを認識、機械学習の技術がその動きを分析、お客さんはレジに並ぶことなく買い物を終えることができるというとてもハイテクな未来型店舗です。買い物の支払いの方は事前登録しているクレジットカードから自動的に引き落としされます。このようにアマゾンは小売業界で独自のAI技術を活用し非常にユニークな事業展開を行っています。
AIのテーマに投資をするETF
AIのテーマに投資をするETFとしては、昨年9月にナスダック市場に上場したグローバルX社の、グローバルX ロボティックス&アーティフィシャル・インテリジェンス(AI) ETF(Nasdaq: BOTZ)です。
ただ、このETFの現時点での採用銘柄をみると、どちらかというとロボットのテーマに重きを置いている感じがします。これは、アマゾンのような企業はAIの技術を活用し彼らの本業を伸ばしているわけであり、AI技術に特化しているいわゆるIT会社ではなく、そのような会社は余り存在しない為ではないかと思います。実際、このファンドの保有銘柄1位として(2017年5月26日現在)、アメリカの手術支援ロボットの世界的メーカーであるインテューイティブ・サージカルが採用されています。
他採用上位銘柄を見てみますと、日本のファナック、三菱電機、安川電機といった銘柄が出てます。
このETFの上場(2016年9月13日)してからのパフォーマンスはどうかといいますと、ドル・ベースで2017年5月26日までS&P500が15.23%、ナスダック総合指数が21.57%上昇しているのに比べ、グローバルX ロボティックス&アーティフィシャル・インテリジェンス(AI) ETFは25.41%上昇と素晴らしいパフォーマンスを上げています。円ベースでみますと、同期間のドル高となったこともありは36.65%上昇しています。
AIのテーマは息の長いテーマであり、今後もこのようなAIやロボティックスをテーマにしたETFが上場されるのではないかと思っています。