
ETFは取引所で取引できる投資信託としてじわじわ人気を高めています。リスクが低く手軽な上、色々な銘柄に投資ができるので初心者の方にもおすすめなのですがその投資対象は株なだけでなく債券や金、原油といったものも含まれます。債券と聞くと、償還までずっと持ち続けなければならないイメージがあるかも知れませんが、ETFであればいつでも売買が可能。もちろん利子は分配金として受け取れます。今日は債券ETFの仕組みとおすすめの銘柄についてご紹介します!
目次
1.ETFって何?その仕組みと投資出来る資産
最近その名前を聞く事も多くなってきているETF。日銀が金融政策に利用していることでも有名ですよね。ざっくり言うと日経平均株価やTOPIXといったような株価指数に小額から投資ができるものなのですが、まずはその仕組みや種類についてご紹介します。
1-1. ETFの仕組み
海外で爆発的な人気を博しているETF(Exchange Traded Fund)は、日本語では上場投資信託と呼ばれており、取引所で取引できる投資信託です。投資信託同様いろいろな銘柄を組み合わせて小分けにしているので、小額から効率良く資産運用をすることができる上、かつ株のようにいつでも取引できることが最大の魅力です。もっと詳しく知りたい、という方は<こちら>をご覧ください。
1-2. ETFの投資対象は株だけじゃない
ETFは日銀の買い入れ対象にもなっている日経平均株価やTOPIXといった株関連の銘柄が有名ですが、投資信託同様その投資対象は様々です。実質、ETFを通して世界中のあらゆる金融資産に投資をすることが可能。それでは具体的な銘柄を見ていきましょう。
1-3. ETFが投資できる代表的な資産
世界には実に6000以上ものETFが存在し、株以外にも債券や原油・金などのコモディティ等に投資をすることが可能です。アメリカやヨーロッパといった海外の株式はもちろん、直接投資するのにちょっと勇気がいる新興国の株や、アフリカや南米の債券、コモディティと呼ばれる金や原油、レアメタルといった商品にもETFを通して手軽に投資をすることができるのです。
2. 債券ETFの前におさらい、様々な債券の種類と取引方法
債券に投資できるETFも存在する、とお伝えしましたが、そもそも現物の債券を取引した事がない方にとってはあまりピンとこない話だと思います。債券ETFの前に、債券についておさらいしてみたいと思います。
2-1. 債券の仕組み
野村証券のHPには以下のような説明があります。
債券とは・・・債券は、国、地方公共団体、企業、または外国の政府や企業などが一時的に、広く一般の投資家からまとまった資金を調達することを目的として発行するものです。【中略】債券を購入すると、定期的に利率分の利子を受け取ることができます。そして、満期日を迎えると、額面金額である償還金を受け取ることができます。(野村証券引用https://www.nomura.co.jp/retail/bond/beginner_bond/5_minute.html)
では、私たちが購入できる債券にはどのようなものがあるのでしょうか?
2-2. 国内債券の種類と取引方法
個人が購入できる債券の代表的なものは日本国債(国が発行するもの)、地方債(県や市町村が発行するもの)、社債(企業が発行するもの)の3つがあります。期間や利率、1口あたりの設定金額などがそれぞれ違うため、条件が良い人気のものはあっという間に売り切れてしまうことも。証券会社の口座で取引をすることができます。
2-3. 海外債券の種類と取引方法
国内の債券同様、世界にも様々な種類の債券が存在します。まずは各国が発行している国債。日本国債と同様に世界の国々も国内、国外の投資家向けに債券を発行しています。中にはサムライ債と呼ばれる、日本の投資家向けに円建てで発行する外国債券、なんてものも存在します。取引のためには同じく証券口座が必要なのですが、国内のものとは違い通貨を取引通貨に両替してから【外国口座】で管理する必要があります。
2-4. 意外と面倒?債券のメリットとデメリット
安定資産のイメージがある債券ですが、どんなメリットとデメリットがあるかを詳しく見てみましょう。
2-4-1.メリット
債券のメリットは何と言っても【元本保証】。満期まで保有すれば元本のお金は基本的に満額償還されます。仮に発行体(その債券を発行している国・自治体・企業など)が倒産等をした場合は債務不履行となる恐れがありますが、日本国債の債務不履行=日本が財政破たんすると言う事になるので、可能性はそう高くありません。満期まで保有しておけば銀行よりは良い利率の利子がつくので、リスクを取りたくない、という人にはぴったりです。
2-4-2デメリット
デメリットはなんといっても、満期まで持ち続けなければならないという縛り。満期まで保有し続ける事を大前提としている金融商品のため、急な資金需要があって満期前に途中換金した場合、元本割れを起こしてしまったり、ペナルティが発生してしまうことがあります。また、種類によっては1口あたりの設定額が数百万~と高額なものもあり、気軽に購入出来ない場合も。
3.手軽さアップ!満期を気にせずもらえる金利はそのまま、債券ETF
債券のETFは、
①マーケットが空いている時間はいつでも取引できる
②満期の縛りがない
③解約ペナルティがない
と債券の現物を取引するのに比べぐっと手間が楽になり、若干目減りするものの金利ももらうことができる夢のような存在です。エクスペンスレシオと呼ばれる信託報酬がわずかに差し引かれますが、それでも現物の債券を保有する時の制限に比べると充分価値はあると言えます。
3-1. 債券ETFの仕組み
全てのETFの【フィジカル】と呼ばれるものは、その実物を原資産として保有することでETFの価格を連動させており、今のところETFの主流となっています。物によっては値動きを再現するために別の銘柄を組み入れている場合もありますが、中身は全て公開されているので現物かどうかは簡単に調べる事が可能。債券ETFは、基本的にはその債券を保有し、償還されたものを再度投資していく・・・という仕組みになっているので安心です。
3-2. 償還を気にせず換金!簡単取引
ETFは、その商品が上場しているマーケットが開いている時間であればいつでも何度でも売買が可能です。流動性も高く、満期を気にしないで良いので、債券を原資にしていながらも気軽に取引をすることができます。逆に、例えば5年満期の銘柄を保有していたとしても5年たったところで償還される事はありません。これは、ETFの発行会社が満期で償還されたお金を再投資することでその時々で取引されている最新の銘柄に入れ替えてくれているためです。
4. 日本の債券への投資も可能?
現在、新興国や米国債券に投資できるETFが日本でも少しずつ増えているのですが、日本の債券に投資出来る債券はあるのでしょうか?
4-1. 日本発行の債券を対象にした銘柄は実は存在しない
実は日本国内で発行されている債券に投資できるETFはまだ存在しません。規制などいろいろな理由はあるのですが残念ながら現状はその実現が容易ではなさそうです。期待させてしまった皆様・・・ごめんなさい。
4-2. 現在取引できる債券ETFとは
日本国内で発行されている債券を対象にした債券ETFはまだ存在しませんが、海外を対象にしたものであれば取引が可能です。特に、日本国内で上場している以下の銘柄は対象の資産が海外の債券にも関わらず日本円で取引ができるため、満期の縛りや資金のハードルだけでなく両替の手間も無くしてくれる一石二鳥。まずはどんなものか小額から始めてみることも可能です。
今日本に上場している債券ETFのリストはこちら。
http://www.jpx.co.jp/equities/products/etfs/issues/01-09.html
5. まとめ
いかがでしたか?ETFで日本の債券に投資したい!と思ってこのページをご覧になって下さった方には少しがっかりされてしまったかもしれませんが、国内債券ETFはまだないものの、海外の債券に投資できる銘柄は多数あり、投資のハードルをぐっと下げてくれています。ビットコインに投資できるETFさえ誕生しつつある今日、日本の債券に投資できる銘柄が出て来る日もそう遠くないかも。