
女性たちの永遠の憧れ、ダイヤモンド。
素敵な王子様に跪かれ、バラの花束とともに小さな箱をパカっとあけるとそこにはブリリアントカット(画像参照)に整えられ煌びやかに永遠の輝きを放つリング・・・王道のシチュエーションではありますが、まだまだ憧れている女性は多いはず。
憧れのシチュエーションに水を差したくはありませんが、実際にこれをやろうとすると立ちはだかるのが、現実的なお金の話。そう、ダイヤモンドはとってもお高いのです。
目次
ダイヤモンドは50年前の10倍の価格に跳ね上がっている
これは、過去50年に渡るダイヤモンドの値段の推移をドル建てで表したチャートです。
現代の王子様は、親世代の王子様の何倍ものお金を出さないと女性の夢を叶えられない、世知辛い世の中になってしまっていることが分かります。
2000年を境に価格の上昇は一層スピードを上げており、私たちの子どもや孫世代の頃には王子様はもっと大変な思いをすることになるかもしれません。
実際、ジュエリーを販売している各社も毎年少しずつ値上げをしており、彼女に無理やり連れていかれたジュエラーで見つけたお気に入りのリングの購入&プロポーズを迷っている間に価格が10%以上変わってしまうことも珍しくありません。(迷っている方は早めの決断を)
ダイヤモンドに投資することは可能?
これだけ値段が上がっているということは資産運用の手段として検討する余地があるということです。
投資の基本は出来るだけ相関性(連動性)が低いものに分散投資をすること。こうした方が、有事の時に強く安定的にリターンを出せると言われています。
例えば、世界の色々な株に分散して投資をしていれば、日本が不況、アメリカでテロ、などといったそれぞれの国で非常事態が起きた時にはそのインパクトを軽減できますが、リーマンショックのように「世界同時株安」が起きてしまった場合、株が全て安くなってしまうので結局影響を受けてしまいます。
お金は常に行き先・逃げ先が必要なので、そういった有事の時に上がる投資先、というのもちゃんとあり、債券や金、日本円などがリスク回避資産と呼ばれています。
なので、なるべくバラバラなものに投資するのがおすすめ。
他の金融商品との相関性は低そう
(Bloombergより引用)
ダイヤモンドは、上記のS&P500のチャートと見比べる限り株との連動性はそこまで高くはなさそう。株での資産運用を既にされている方にはもってこいの分散投資先と言えます。単体で見た場合むしろダイヤモンドの方が値上がり幅が急なので投資対象としては優れているかもしれません。
ダイヤモンドに投資する方法ってあるの?
そもそもダイヤモンドは実物をジュエリーで保有する以外、投資を直接する方法はありません。
ダイヤモンドの販売会社の株に投資する、鉱工業企業株に投資をする事で間接的に値動きを追うことは可能です。日本だと真珠で有名なTASAKI (ティッカー:7968)などでしょうか。
海外の銘柄もあるにはありますが、個別で持つのはリスクが大きいのであまりおススメできません。
では、ETFではどうでしょうか?
結論から言うと、ダイヤモンド単体での投資ができるETFはまだ存在していませんが、上記のように関連株が含まれているETFを保有することでエクスポージャーを取る事はできます。具体的には下記のような銘柄がおすすめ。
このETFは2012年にローンチされたETFで、金属や鉱工業生産関連の銘柄に投資できるETFです。
ダイヤモンドに関連するのは、7.9%組み入れられている多国籍企業のリオ・ティントと2.84%組み入れられているアングロアメリカン。
リオティントは傘下にリオティントダイヤモンドという子会社を持っており、ダイヤの採掘から販売までを行っています。一方のアングロアメリカンは、ダイヤモンド業界でリーディングカンパニーとして知られる「デビアス」を85%保有している企業。2016年における世界のダイヤモンド供給量全体の実に35%がこのデビアスのもの。2銘柄合わせて10%ほどをダイヤモンド関連企業に投資できることになります。
この銘柄のエクスペンスレシオは0.39%と、ETF業界全体の平均である0.57%と比べるとやや低め。配当も貰える銘柄なので長期投資にも向いています。
Yahoo USAより引用
ただ、あいにくこの銘柄はダイヤモンド以外のゴールドやシルバー関連の銘柄にも多く投資をしているため、それらの価格変動の影響を受けます。ダイヤモンドだけで見れば価格は上がっているのですが、金の価格は去年まで低調だったのでその影響を大きく受けてしまっています。
いまはまだこの方法しかありませんが、今はビットコインのETFも誕生している時代です。ダイヤモンドだけに投資出来るETFが誕生するのもそう遠くないかも知れませんよ!