ETFとインデックス型投信の違いは?投資時代の強い味方に

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以前、資産運用といえばいかに家計簿をつけて節約するか、という視点が中心でした。2000年代に入ったあたりから資産運用、そのなかでもお金を増やすことの大切さが唱えられ始めます。ただ、資産運用は運用益を手にできる反面、「リスク」が介在するもの。特にはじめて投資をするビギナー資産運用の方にとって、懸命に立てた貯蓄が投資信託選びによって目減りしてしまうのは避けたいもの。

そこで、リスクの低さを魅力に持つローリスクの投資信託が主に投資初心者の支持を得るようになります。これがインデックス投信です。一方でローリスクの投資商品として知名度を持つのはETFと呼ばれる上場投資信託です。投資の時代に強い味方になるインデックス型投信とETFとはどのような違いを持つ投資方法なのでしょうか。

1.インデックス投信とは?

インデックス型投信は日経平均株価(日経225)、TOPIX(東証株価指数)といった「指標」と連動する投資信託です。

日本に限らず、アメリカのS&P500と連動する商品もあります。巨大な投資額を預かる投資家の労力が比較的少ないため、商品購入者の手数料が安い点が大きな特徴です。また、これら指標に連動している投資信託は、動きが読みやすく、また常識を外れた上昇・下落の可能性が低いため、初心者向きといわれています。

言い換えると他のへ変動性(ボラティリティ)の高い投資商品と比較すると大きな利益を生む「リターン」が少ない代わりに、損失を生む「リスク」が小さい、つまり変動性(ボラティリティ)が小さいということができます。この「ポジション」の見方を変えて見てみましょう。投信を運用するファンドマネージャーにとっては(積極策をとるアクティブファンドに比べ)負担のかからない運用方法です。手がかからないということは運用する時間も少なければ、人員も少なくて済みます。その「手のかからなさ」が手数料の安さに反映されている、といえます。

とはいえ、インデックス型投信には膨大な数の商品があります。利用者それぞれの判断で「好きに選んでください」といわれても特にわかりません。そこで、インデックス型投信には大きく分けて2つの商品があります。ひとつは「追加型(オープン型)投資信託」、もうひとつは「インデックス型ETF」です。

2.ETFとは

追加型投資信託は別名、オープン型投資信託といいます。概ね10年以上など長期にわたって運用されており、日々の基準価格をもとに売買することができます。投資信託は新発売するときに「募集期間」がありますが、その期間が終了したあとも「追加」で購入できる特徴があります。

一方のETFは上場投資信託の略語です。ETFの大きな特徴は、ETF自身が証券取引所に上場しており、ほかの諸銘柄と同様、9時から15時のあいだで株価が変動しています。なお、追加型投資信託は上場していません。なお「追加型」という名称は、販売後も引き続き購入できることから「追加」して購入できるという特徴からつけられたもの。投資信託の販売開始時に「しか」購入できないものは「単位型投資信託」といい、クローズ型とも呼ばれています。

追加型投資信託は証券会社やメディアによっては、インデックスファンドという言い方をされている場合も多いです。名称が似ていて混乱してしまうので、以降本記事もでは追加型投資信託に名称を統一してお伝えしますが、インデックスファンドと書かれたときにどちらを指しているかを理解するようにしましょう。

つまり、インデックス型投信はこの追加型投資信託を、一方のインデックス型ETFは上場投資信託を意味していることが多いです。それぞれの言葉を使用して説明している人が両者を誤用している可能性があります。お金のサイトなどでインターネット等の投稿を活用するときは、「インデックス型ETF」という言葉が文字通り上場投資信託を指しているのか、誤って追加型投資信託を指しているのか、再確認することが大切です。

3.ETFとインデックス型の項目別の違い

では両者の違いを項目別に見ていきましょう。

3-1. 購入単位

まず大きな違いは購入単位です。1万円単位で購入できるのは追加型投信、ETFは数万円~10万円単位で購入できます。購入単位が小さく、次々と追加型で購入できるため追加型投信、と定義しましょう。

3-2. 各種費用

投信を売買するには、販売手数料や信託報酬といった各種費用がかかります。これはETFに限らず、どのような投資信託にも共通しています。

総じて(取引)市場にて売買されているETFの方が安いという傾向がありますが、追加型投資信託のなかには販売手数料が無料という商品もあります。商品ごとに区別していきましょう。

3-3.解約

取引市場にて売買されているETFは市場にて売買することができます。一般の株式銘柄と同様、すぐに売買が成立する場合も、取引量が少なく希望の売却価格に届かず売買に長い時間がかかるケースもあります。

一方の追加型投信は通常の投資信託と同様、1日に1度のペースで確定する基準値での売買になるため、売買自体の可能な回数も1日1回のみです。

4.資産運用に向いているのはどっち?

追加型投資信託は1日に1度しか売買ができないため、諸費用も低いもの。ただ、ETFの購入単位が少額であること、および「何度も売買できる」という特徴は、資産運用を行ううえで不可欠な再投資(リバランス)に適しています。

それによりポートフォリオの組み換えが可能となるため、結果購入価格が按分される「ドルコスト平均法」を実現することとができます。この平均法は資産運用の理想とされ、長期的な投資のなかで最も安定した利益を生み出すといわれています。両者それぞれ特徴がありますが、資産運用をまず始めてみるなら追加型投資信託、ある程度慣れてきたならETFという区分けをお勧めします。

5.まとめ

はじめて資産運用をするときに大切なポイントで、かつここまでの説明と逆説的になるのですが、購入前に自身に対し、何が「最も相応しいのか」を決める必要はありません。自分にどちらが適しているかを確認するために、まず資産配分の半分をETFで購入し、もう半分を追加型投資信託で購入するという方法もお勧めです。状況によって各運用資産の状況は変わってきますので、積極的にポートフォリオの見直し、組み換えをすることでリスクを更に軽減することができます。

「投資の時代」に強い味方となるインデックス投信。言葉が難しく、投資の初心者は特に混乱してしまっている部分もありますが、「ETF」と「インデックスファンド」の違いを理解して活用するようにしましょう。