あなたが投資信託で大損する4つの理由

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(写真=PIXTA)

「投資信託で大儲けした」――そんな人の話を身近で聞いたことがあるのではないでしょうか。あるいは読者の方の中にもそのようなご経験をされた方もいらっしゃるかと思います。投資信託への投資経験がある人は多いはずですが、それで大きな収益を上げることができたという人は少数派かもしれません。

なぜ「投資信託投資で失敗」するのでしょうか。投資信託という商品の流れは、大雑把に分けて運用を担当する投資運用会社、販売を担当する銀行や証券会社などの金融機関、そして投資信託を購入、保有、売却を行う個人投資家によって構成されています。

むろん、すべての投資信託のパフォーマンス(運用成績)が悪いわけではなく、中には10年間で10%を超える銘柄も少なからずあります。言い換えれば損する個人投資家が多いのは、投資家自身が銘柄選択や売買のタイミングといった部分でミスを犯している可能性が高いからです。

問題は、いったいどの段階で間違いを犯すのか……。投資信託とは何かも含めて、もう一度きちんと検証して、失敗する理由を見ていきましょう。

 

基本は「長期安定運用」である

まずは、失敗する原因を突き止めないとなかなか勝てません。たとえば、失敗してしまうパターンをいくつか考えてみると次のようなことが挙げられます。

  • 自分で決めず勧められた商品を購入(金融機関、雑誌、メディアなど)
  • 毎月分配型など「分配金」が頻繁に出る投資信託に投資(毎月分配型投信)
  • 人気ランキング上位の銘柄に投資(バブル型投信)
  • ソブリン債やハイイールド債といった名前だけで投資(ハイリターン型投信)
  • 基準価額が上がる前に償還を迎えた(満期のある投信)
  • 手数料だけが高くて利益の少ない投資信託に投資(コスト過剰の投信)

数え上げればきりがありませんが、これらを分析してみると、失敗の原因が朧気に見えてくるのではないでしょうか。結論から言えば「銘柄選択」を間違えているケースが多いということです。個人投資家の多くが「長期安定運用ができる銘柄選択ができていない」ことが根本的な問題になっていることが分かります。

 

失敗しない銘柄選びとは?

では、やってはいけない投資信託の銘柄選びとはどんなことでしょうか。上記で見たとおり様々な要因がありますが、今回紹介する4つのポイントを意識するだけでも失敗しづらくなるでしょう。

1.投資コストの高い金融商品を控える

投資信託を購入する際にはまず考えなければならないのが投資コストです。投資信託のコストには主として「販売手数料」と「信託報酬」だが(解約時に「信託財産留保額」が掛かる場合がある)、こうしたコストを無視して銘柄を決めてしまう人が多いです。投資信託の中には、10年間保有していると手数料だけで3割以上取られてしまうものもあります。

元本を3割増やしても、やっとプラスマイナスゼロというわけです。特に、注意したいのが日々徴収されている信託報酬、いわゆる運用手数料です。「ファンドの純資産残高×年3%」という計算式によって徴収されますが、毎日自分の資産から一定の手数料が引かれている、という意識を持つことが大切です。

そういう意味で言えば、信託報酬は少なければ少ないほどいいのですが、たとえば株価指数などに連動する「インデックス型投資信託」あるいは「ETF(上場投資信託)」であれば、年1%程度と格安に抑えることができます。同じ投資信託でも、そちらを選択したほうが良い場合があるということです。

また、最近の投資信託には、「ノーロード」と呼ばれる「販売手数料ゼロ」の商品も数多く出ています。手数料の多い少ないも、投資信託の投資では成否のカギを握ります。

 

2.投資対象が同じ投資信託に投資しない

投資信託と言っても、実は様々な種類があります。たとえば、投資の世界には投資対象の違いなどによって分類する「資産(アセット)クラス」という考え方があります。同じようなリターンやリスク特性を持つ資産の分類方法で、国内株式、外国株式、国内債券、外国債券、商品(コモディティ)、REITという具合に分類されます。

投資信託の選択で大切なことは、同一のアセットクラスに集中的に投資しないことです。複数のアセットクラスを組み合わせることでリスクとリターンを分散させることで、安定した運用が可能になります。

たとえば、「バランス型投資信託」と呼ばれる銘柄は、このアセットクラスをひとつのファンドの中で分散させて投資します。安定運用できるように工夫されたタイプの投資信託になっています。ただし、バランス型投資信託は投資対象が多岐に渡るために、信託報酬が高い。運用実績のある投資信託、あるいは実績のあるファンドマネージャーが運用する銘柄を選択することが肝要でしょう。

 

3.トータルリターンの低い銘柄には投資しない

投資信託の運用成績は「トータルリターン」という数値で分かります。トータルリターンというのは「(配当・分配金+基準価額の増減)÷投資コスト(購入価格)」の数式で算出できるもので、運用報告書や投資運用会社のサイトなどで確認することができます。

最低でも過去3年間のトータルリターンをチェックして、その実績を確認してから投資する銘柄を決めることが大切です。金融機関がキャンペーンを行う新規の投資信託は実績が分かりません。そういう意味でも、新規発行の投資信託に投資するのは慎重になったほうが良いのかもしれません。

 

4.標準偏差の高過ぎる投資信託には手を出さない

投資信託への投資で大切なのが、その銘柄の「リスク」を知ることです。投資信託のリスクを知るには「標準偏差」の数値を見ると分かります。標準偏差というのは、統計学上の数値のことで、標準偏差が大きいほど、期待したリターンから乖離してしまう可能性が高くなります。

例えば、安定的な運用ができる投資信託に投資したいのであれば、標準偏差の低い銘柄を選ぶことです。5%以下の標準偏差であれば、リターンも少ないがリスクも少ないです。標準偏差も過去の数値も確認するのが好ましいです。

標準偏差も、運用報告書や投資運用会社のホームページ、あるいはモーニングスターなどの投資信託情報専門サイトで分かります。

 

実績があって標準偏差の低い銘柄を探すべし

投資信託への投資でやってはいけないこと、優先しなければいけないことをピックアップしました。実際に、これらのポイントを実践するためには、きちんと情報を集めて、投資信託の正確な知識を身に付ける必要があります。

そのためには、銘柄選択の際に投資信託の設計書ともいえる「目論見書」が重要な存在となります。その上で、少なくとも過去3年以上の実績をチェックして、その投資信託がどの程度の収益を上げているのかを確認しましょう。

さらに、標準偏差をチェックしてリスクの高い投資信託なのかどうかを確認していきます。手数料などが高すぎる投資信託は、どうしてもトータルリターンも低くなります。送付される運用報告書や運用会社のホームページなどでこれらの数値をまめに確認する習慣をつけましょう。こうした努力が投資信託による損失を最低限にしてくれるはずです。