知識ゼロからでも分かる 「ETF」で実現可能な「リスク分散」運用法

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資産運用の考え方の一つに「分散投資」というものがあります。その分散投資の重要性を物語る有名な格言の一つに「卵をひとつの籠に盛るな」という言葉があります。

割れやすい卵を1つの籠に入れておくと、落としたときにはすべて割れてしまう……。2つ、3つと分散収納して持ち運べば、1つの籠を落としても残りの卵は助かる、というわけです。数多くの資産運用ガイド本に掲載され、セミナーでも引用されるよく知られた格言ですが、本当に資産運用でも有効な方法なのでしょうか。

今回は、この分散投資の原則が本当に正しいのか、細かく検証してみます。

 

 

■「モダンポートフォリオ理論」が説明するリスクとリターン

分散投資とは、簡単にいうと複数の種類のアセット(資産)に分散して投資することで、安定した「パフォーマンス(運用益)」を得られることを意味します。まさに、卵の分散と同じですが、異なる資産に分散して投資することが「運用成績」のプラスになることは、ノーベル賞を受賞した米国の経済学者であるハリー・マーコウィッツが1952年に発表した「モダンポートフォリオ理論(MPT)」という考え方によって証明されています。その後、資産運用のノウハウは,このMPTをベースにして研究が進められてきたといっても過言ではありません。

たとえば、リターンの異なる2つの資産をそれぞれ個別に運用する場合と、2つの資産を半分ずつ1つの「ポートフォリオ」に組み込んだ場合では、半分ずつ組み合わせたほうがリスクを押し下げてリターンを上げるという考え方です。

仮に、ハイリスク・ハイリターンの「株式(B資産)」を5割、残り5割をローリスク・ローリターンである「債券(A資産)」で構成した場合、配分割合が50%ずつであれば、リスクとリターンはそれぞれ半分ずつになるはずです。

つまり、ポートフォリオのリターンは株式と債券の中間に位置し、リスクも株式と債券の中間に位置することになります。しかし、これら2つの資産のリスクとリターンがまったく同じということは常識では考えられません。株式と債券のリターンには関連性が低く、同時に、同程度のリターンが生まれることはありません。

株式は、国内外のちょっとしたニュースでも価格が大きく変動します。それに対して、債券は少々のニュースでは動かないために、両者の価格は連動しないのです。

言い換えれば、仮にリターンが同じであったとしても、リスクは株式だけの場合よりも大きく下がるはずです。分散投資をすることでリスクを軽減でき、単独での運用よりもリスクの少ない安定した資産運用が可能になるということです。

 

 

■資産内容を分散させて価格変動リスクを下げる!

ポートフォリオの内容を分散して運用することで、リターンとリスクが変化することがわかったと思います。では、実際にどの程度のリターンやリスクを変えることができるのでしょうか。

私たちが資産運用で日常的に使っているリターンとリスクですが、もっと正確にいうと、リターンは「期待リターン」のこと。文字通り期待できるリターンのことで、たとえば過去30年間のリターン値を平均化した数字などが使われます。平均株価を例にとれば、同じ株式であっても日本の株式市場と米国の株式市場では大きな変化があります。

日本であれば東京証券取引所の平均収益率、米国株式ならS&P 500のトータルリターンなどの「指数」から期待リターンが割り出されます。

一方のリスクは、「標準偏差」というデータが判断材料として使われます。標準偏差とは、統計学でいうところの「分布」「ばらつき」を示した数値ですが、単純にいうと、ある資産が儲けを出す割合と損失を出す可能性を示したものです。

たとえば、標準偏差20%というと20%の利益を出す可能性もあれば、20%の損失を出す可能性もあるということです。つまり、上下20%の価格変動リスクを持っていると考えればわかりやすいかもしれません。安定運用したいのであれば、この標準偏差の低い資産に投資することが大切になるわけです。

 

 

■分散投資にETFが有効な理由

つまり、合理的な投資方法としては、相関性の低い資産を複数組み込んだポートフォリオで運用すれば、同じリターンであれば標準偏差(リスク)が少なくなり、同じリスクであればリターンのより高い運用が可能になる、と考えられます。

これを現実の投資の世界に反映してみると、最も効果的な資産は「ETF(上場投資信託)」であることがわかります。ETFは、株式などの「指数」に連動する投資信託の一種で、株式市場に上場しているのが特徴です。指数に連動するため、相関性の少ない資産でポートフォリオを構成するのに向いている商品といっていいでしょう。

たとえば、国内株式と米国株式のポートフォリオであれば、東証一部全銘柄を指数化したTOPIX(東証株価指数)連動型のETF、そして米国のS&P 500に連動するETFをそれぞれ50%ずつ組み入れてポートフォリオを作ればいいわけです。

実際には、もっと複雑な「アセットアロケーション(資産配分)」を作成するのが普通ですが、たとえば「ヘッジファンド」や「プライベートバンク」といった分散投資をアピールする金融機関は、より効果的なリスク管理を実践します。これらの金融機関が使う商品も、最近ではETFが主流になりつつあります。

こうしたETFを使った分散投資の考え方は、個人投資家にも最適なポートフォリオをもたらしてくれます。ETFをいかに活用できるかが、安全運用の近道なのです。

  

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