ETFでも空売りは可能。気になるコストとインバース銘柄の関係

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 ETFは長期資産形成のツール、というイメージを持たれがちですが、小額でインデックス取引が出来るということはトレーディングツールとしての可能性も秘めています。長期投資に興味はないけどトレーディングツールとしてどれだけ使えるの?と思っている方も多いはず。今日はそんな疑問にお答えします。

 

1. ETFって空売りできるの?コストは?

個別銘柄に比べ方向感を読みやすいETF。やはり気になるのは空売りができるかどうかとその時の手順&コスト。結論から言うとETFも空売りは出来ます。

 

1-1.ETFも空売りは可能

ETFは株と同じように上場しており、原資産に指数に組み込まれている銘柄を保有しているだけでその機能や性質は株と基本的に変わりません。なので、空売りも可能ですし、東証のホームページに行けば貸借銘柄かどうか確認することも可能です。(リンク)

 

1-2.貸株が少ないため逆日歩がつきやすい

株と同じように、とは言ったものの、株と異なる部分ももちろんあります。最も大きな違いはコストです。ETFは流動性が低く基本的に貸株に出ている量が多くないため一般的な株の銘柄に比べ逆日歩が付きやすく、コストが膨らみやすいという特徴があります。こちらのサイトでは逆日歩をランキングで確認することができますが、ETFがかなり上位を占めていることが分かります。

 

2. ETFの流動性は?

米国では、株と肩を並べ連日かなりの出来高があるETF。トレーディングやヘッジのツールとしても活用されているのですが、日本の場合ETFをヘッジのツールとして先物と比較すると、流動性は先物の方が圧倒的に高いと言えます。では、ETFの出来高は実際どのくらいあるのでしょうか?詳しく解説します。

 

2-1.銘柄によってはほぼ出来高がないものもあるので要注意

1日の出来高はこちらで確認することができますが、株の出来高と比べるとやはり雲泥の差があります。

https://info.finance.yahoo.co.jp/ranking/?kd=1&tm=d&mk=1

株の場合、東証1部に上場している銘柄であれば出来高が1日100万株を超える銘柄も決して珍しくないのですが、ETFの場合100万単位を超える銘柄は上位10位の中でも限られています。なので、現実的にデイトレや空売りが可能な銘柄はごく一部に限られてしまいます。

 

2-2.トレーディング向きなのはレバ銘柄と日銀も買っているTOPIX、日経平均絡み

 先ほどの出来高ランキングで見ても分かるように、日本のETFは大型指数のレバレッジ銘柄に出来高が集中する傾向にあります。また、日銀の買い入れで話題となっている日経平均連動ETFとTOPIX連動ETFはレバレッジがかかっていないものもランキング入りしているため、流動性は高いです。逆に、気になる銘柄でも1日に出来高が数百口しかできないような銘柄は解約リスクもあるため避けるほうが無難です。ETFのリスクについてはこちら。

 

3. 信託報酬はパフォーマンスにどれだけ影響する?

株と同じようにトレードしようとするとやはり気になるのは投資信託特有の【信託報酬】。これって結局どれくらいトレードに影響するものなのか、気になりますよね。ここではその信託報酬について詳しく見て行きます。

 

3-1.設定されたエクスペンスレシオをチェック

 信託報酬をETFでは【エクスペンスレシオ】と呼び、きちんと開示されているので簡単に調べる事ができます。証券会社の取扱ページや、そのETFを提供しているプロバイダの銘柄紹介ページで見る事ができます。メジャーな指数を対象とした預かり資産の多い銘柄で、ロングのものであれば通常0.10%台とかなり低いのですが、レバレッジやインバースといった仕組みが組み込まれているものは高くなります。(野村の日経ダブルインバースは0.8%)

 

3-2. 数日~数週間単位のトレードであれば許容範囲

 エクスペンスレシオは、長期保有を前提としているインデックス投資家の中では度々話題に上がります。たった0.1%の違いでも1000万円の資金で30年保有するとかなりの差が出てしまうためです。しかしながら、トレードを前提とした場合、保有するのはせいぜい数週間~数カ月。保有日数に対してかかるので実際にかかるのはごく僅か。逆日歩や売買手数料ほど気にする必要はないでしょう。

 

4. 日経225ETFのショートとインバースのロングって同じ?

ETFには【インバース】と呼ばれる銘柄が存在します。原資産が1上がると1下がるような仕組みになっており、相場が下がっている局面で利益が出せるという点においては空売りと同じ効果があります。では、日経平均株価連動のETFを空売りするのと、日経インバースをロングするのでは同じ効果が得られるのでしょうか?

 

4-1.インバースは少しずつ乖離がおきる

インバース銘柄は、1日での値動きが原資産に対し逆相関になるように設計されています。じゃあ空売りと同じ効果があるのか!と思いがちですが、複利効果により2日以降の動きが乖離してしまうためショートと同じ効果は得られません。

 

例えば、今100円の原資産が1日目に10%上がり110円になった場合インバース銘柄は10%下落し90円となります。その翌日、原資産が5%下がった場合104.5円となり2日間での値動きは+4.5%となりますが、一方のインバースは94.5円となり2日間での値動きは-6.5%となります。このように、2日目以降の値動きが少しずつ乖離し全く別物になってしまうため、空売りの代わりにヘッジに使うのは不向き。

 

4-2.下落相場で利益を出すならダブルインバース

 インバース銘柄でヘッジのための空売りと同じ効果は期待できないものの、下落相場で利益を出す目的であれば十分に効果を発揮します。日経ダブルインバースのように逆相関かつ2倍の値動きをする銘柄であれば、借株をするコストがかからず、原資産に対し-2倍の値動きをするため、下落が続く局面では空売りよりも低いコストで高い利益を出す事も可能です。

 

5. ETFは空売りに不向き、ヘッジにおススメの方法は?

 以上の事を踏まえると、ETFでの空売りは、まだ市場規模が小さく流動性の低い日本ではするに値しないというのがわたしの意見です。下落局面で利益を出したいなら、レバレッジのかかっているインバース銘柄を利用すればコストも安く済み、口座を分ける必要もありません。逆に、ヘッジに使いたい場合はETFよりも下記の方法がお勧め。

 

5-1. 小額で取引できる先物、日経225ミニ

小額から指数取引をする方法にはいくつか選択肢がありますが、まず頭に浮かぶのは先物取引ではないかと思います。先物と聞くと必要資金が大きくハイリスクなイメージがありますが、例えば先物ミニであれば証拠金7万円程度から始めることが出来ます。

 

5-1-2. 先物取引はレバレッジと限月に注意

7万円からOKと言っても、最小取引単位は日経平均株価の100倍なので取引している額自体は200万近く。値下がりした際には追証が発生するので余裕のある資金を用意する必要があります。先物取引の最大レバレッジは約26倍もあるので充分な余裕資金を用意しておいた方が良さそう。また、先物には限月というルールがあり、3カ月ごとにやってくるある一定の期限までしか同一の先物は取引出来ないことになっているので注意が必要です。

 

5-2. 商品数は少ないけど優れモノ、くりっく株365

 先物は限月が難しそう・・・という方におすすめなのがくりっく株365。株のように取引所で取引される指数なのですが、先物mini同様、先物取引よりも小額で指数の取引が可能。限月がないので先物よりも簡単です。取引できる指数が日経225、NYダウ、ドイツのDAX、イギリスのFTSE100の4銘柄に限られてしまうのがデメリットですが、ヘッジのための空売りをするのであれば特に問題ないかと思います。詳しくはこちらのリンクをご覧ください。

 

6.まとめ

 いかがでしたか?ETFの空売りは思ったほど使い勝手は良くない、というのが正直なところです。米国のようにETFをトレーディングできるようになるまでには まだしばらく時間はかかりそうですが、用途次第ではインバース銘柄やくりっく株365等を活用することで近しい効果を得る事は可能なので、目的に合わせて使い分けていただければと思います。

 

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