今でも使えるFXのスワップポイントでコツコツ運用 

はじめに

実は2008年のリーマンショック前だとFXのスワップポイントでかなり儲けることができました。
人気の豪ドル円を例に取ると、1万豪ドルでおよそ月に5,000円程度の金利があり、100万円程度投資していたとすると、年間6万円程度の金利を得ることができたので、6万円/100万円で年間6%の金利です。(当然為替リスクがありますが)。

ところが、リーマンショック以後スワップポイントが大きく下がったため、スワップポイントの運用は魅力が減りました。ただ、他の金融商品、例えば外貨預金や投資信託でも同様に利回りがさがっているため、今でも上手く利用すればスワップポイントでの運用は有効な手段です。

そこでこの記事ではFXのスワップポイントで運用方法について述べたいと思います。

スワップポイントで運用するのであれば豪ドル円で行うべき、というのが結論になりますが、まずはスワップポイントとは何ぞや?から簡単に始めていきましょう。

1.スワップポイントとは

よくスワップポイントを説明しているページを見るとスワップポイントを

「2つの通貨を交換するときに生じる金利差調整分」と説明しています。

どういうことかと言うと、もしあなたが今、日本の銀行から100万円を借りて、1万米ドルに交換、アメリカの銀行に預金できたとします(1ドル=100円で計算、各種費用は考慮していない)。
そうするとあなたは1万米ドルを預金したので、その金利を受け取ることができる一方で、100万円を借りているので、その金利を支払わないといけません。

結果的にあなたが受け取ることができるのはその差額ということになります。
現在米国の銀行金利は日本の銀行金利よりも高いので、その差額はプラスになります。

細かいところでは色々異なりますが、スワップポイントも基本的な考え方は同じです。

FXは外貨の購入ではなく、外貨の交換という形の取引になるため、預金で言うところの金利とは少し違う概念になります。

2.スワップポイントの特徴

2-1.コストが安い

外貨を取引する際通常コストは2つあります。外貨を売買するための手数料とスプレッドです。
スワップポイントを受け取ることができるFXでは、この2つのコストが非常に低く、外貨預金よりもお得になっています。
大体のFX会社では売買手数料が無料で、スプレッドも非常に狭いです。

2-2.満期がない

通常の預金であれば、必ず満期が存在します。商品にもよりますが、外貨預金では満期を迎えると日本円に交換されるため、自分が希望しないタイミングで日本円に転換されることになりますが、FXでは満期がないため、いつまでも持ち続けることが可能です。

2-3.毎日もらえて引き出せる

多くのFX会社ではスワップポイントは毎日口座に反映され、現金として引き出すことが可能です。

2-4.24時間取引できる

FXは24時間取引することが可能です。仮に円安になって利益が出たので、いったん利益を確定したいという時にいつでも決済することが可能です。

2-5.支払の場合もある

スワップポイントはあくまで金利差になるため、その差がマイナス(支払い)になる可能性もあります。
上の例で言えば、1万米ドルを借りて、100万円預金する逆のパターンだとその差額がマイナスになります。

2-6.毎日金額が変わる

外貨預金は年利が決まっているため、その後の経済動向とは無関係にその年利どおりの金額を金利として受け取ることができます。
一方スワップポイントは毎日その金額が変わります。そのため、突然スワップポイントが変わる可能性があります。

3.豪ドル円、NZランド円、南アランド円で運用した場合の年利と必要な資金

外貨預金同様、スワップポイントの運用も、金利の高い国の通貨を買うことが前提になります。

会社によりますが、高金利通貨として取引できるのは以下の3つが多いため、3つの通貨で運用した場合の具体例を紹介します。

3-1.豪ドル円

2015年の1年間でもらえる額:1万豪ドルあたり約16,000円

必要な資金:45万円(1万豪ドルあたり)

2005年からの豪ドルの価格の動きを確認するとおよそ60円~110円で上下していることが分かります。
1万豪ドルあたりおよそ3万円~4万円で取引できますが、価格変動を考慮、ロスカットをさけ、長期で保有する必要があるため、45万円の資金を用意しておけば万全です。
もし変動幅を半分程度で見込むのであれば必要な資金は20~25万円程度になります。

豪ドル円

3-2.NZランド円

2015年の1年間でもらえる額:1万豪ドルあたり約22,000円

必要な資金:50万円(1万NZドルあたり)

同じく価格を確認すると、45円~100円を動いていることが分かります。
豪ドルの場合と同じ理屈で考えると必要な資金は50万円程度になります。
現在75円前後ですので、価格の変動を半分程度に見込めば25万円の資金で取引することが可能です。

NZランド円

3-3.南アランド円

2015年の1年間でもらえる額:1万豪ドルあたり約39,000円

必要な資金:120万円(10万南アランドあたり)

南アランドの取引では120万円の資金があれば充分でしょう。
ただし、価格を確認すると、安値を更新しているので、現状が底だと考えればもっと少なくてもいいかもしれません。

南アランド円

では、この3つの中から一つを選ぶ場合、どの通貨がいいでしょうか?

答えは豪ドルです。

スワップポイントで長期運用する場合に条件は、

  • 通貨の取引ボリュームが多いこと
  • その国の経済が大きいこと
  • 政治が安定的であること
  • モノカルチャー経済でないこと

などがあります。要するに発展途上国の通貨でスワップポイントの取引を行うのは向いていません。

その国の経済が資源輸出に依存している、規模が小さい、政治が安定していないなどの状況は為替を大きく動かすリスクになり、金利が急に変動する可能性も高くなります。
FXである以上、為替のリスクを避けることはできませんし、金利が高いまま持続する保証もありませんが、可能な限りそういったリスクは避けるべきと考えます。
通貨の安定性やリスク、スワップポイントのリターンを考えると先進国でもあり、経済規模も大きな豪ドルでの運用をおススメします。

価格が低い南アランドがいいのではないかと思うかもしれませんが、2006年以降下降し続けていることから、現在が底値である保証もなく、国としてのリスクも高いため、オススメできません。

4.運用上の注意点

最後に実際に運用する際の注意点を以下で紹介します。

4-1.取引会社を選ぶ

スワップポイントの額はFX会社によって異なります。
また、会社が倒産しないことも長期で運用する場合には必要になるため、安心して取引できる会社を選ぶことが重要です。

4-2.外貨預金と比較する

満期があって中途解約が難しい、手数料がFXに比べて高いなどスワップポイントの運用に比べてデメリットもありますが、一方で金利が固定されているため、突然スワップポイントが減るといったリスクがありません。

4-3.レバレッジを低くすること

FXはレバレッジをかけて取引できることが特徴ですが、スワップポイント運用を行う場合は、レバレッジをかけすぎないようすることが重要です。
レバレッジは通貨の変動幅にもよりますが、3倍以内に抑えるようにしましょう。

4-4.評価損でもあせらないこと

取引後円高になって評価損が出ることがあると思います。
ただ、そうなってもあせらず、気長に待つことを心がけましょう。資金的余裕があれば、ロスカットを恐れる必要もありません。
為替相場は長い目で見ればよほどの高値で取引しない限り再度戻ってくることが多いので、あせらないことが重要です。

4-5.分散して投資すること

たくさんの量を取引するのであれば、一度に全額取引することは避けましょう。
例えば5円下がったら順番に買っていくなどの手法をとれば、より安く取引することが可能です。
上がった場合は、利益ができるのでそこで一旦決済してもいいかもしれません。

まとめ

駆け足でスワップポイントでの運用について紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?

この記事ではスワップポイントでのコツコツ運用に絞ってお話してきましたが、コツコツ運用自体にフォーカスすれば他にも色々な金融商品があります。
別の記事でコツコツ運用に適した商品の比較もご紹介したいと思います。