「米国の景気がいいらしい」で米国株式投資を始められるETF

「米国の景気がいいらしい」で米国株式投資を始められるETF
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(写真=PIXTA)

2008年9月のリーマン・ショック以降、経済危機が拡大し主要国が金融緩和策を強いられてきましたが、米国はいち早く2015年末の段階で利上げを実施しています。

他に先駆けて金融緩和から引き締めへと転換できたのは、それだけ経済が好調だったからでしょう。事実、ここ数年来にわたって米国の失業率は低下の一途を辿ってきましたし、「ミシガン大学消費者信頼感指数」や「住宅着工件数」などといった主要経済指標も高水準で推移していました。

こうした状況を反映し、株価の動きも堅調でした。ニューヨークダウは年初こそ急落に見舞われたものの、2月半ば頃から反発に転じ、2015年の高値付近の水準まで達しました。

底堅い経済や株価の動向を踏まえて、米国の株式市場は世界中から資金が流入しており、そのことが相場を下支えするという好循環も生じていました。グローバルに視野を広げた資産運用を考える際、米国株式に注目すべきだという考え方ができます。

 

■米国株式投資を始めるには

一部の証券会社では米国株式も取引できますが、グローバルに知名度の高い企業が多いとはいえ、日本株と比べれば個別銘柄の情報を把握しづらいのも確かです。また、より安定的な成果を目指すうえでは、複数の銘柄に分散投資を行うのが理想的で、そうなると相応の予算も必要となってきます。

しかし、ETF(Exchange Trade Fund=指数連動型上場投資信託)を用いれば、少額から米国株をはじめとする海外市場に投資することが可能です。ETFは特定のインデックスに連動する仕組みになっており、市場の平均的な値動きを着実に享受でき、手軽に本格的な分散投資を実践できます。

日本国内の市場(東京証券取引所)にも米国株式に連動するETFが上場しています。しかし、まだ海外の市場でしか上場していないものも少なくありません。より視野を広げて海外市場にも目を向けると、豊富な選択肢の中から選ぶことができます。海外ETFなら国内ETF以上に幅広いインデックス(市場の平均値となる指数)を投資対象とできるわけです。

 

たとえば、ニューヨークダウやS&P500といった米国の主要な株式指数はもとより、FTSEディベロップド・ヨーロッパのような世界の主要先進国、中国A株やMSCIインドネシアなどの新興国の株式市場に連動するETFが数多く上場しています。株式や債券のみならず、REIT(不動産投資信託)やコモディティ(原油や金、穀物などの商品市場)のインデックスに連動するETFも選択可能です。

国内のETFと同様、保有中の手数料である信託報酬が低く抑えられているのも利点でしょう。しかも、主要な海外ETFには世界各地から資金が盛んに出入りしているので、国内のETFをしのぐ流動性を誇っています。

もちろん、特定のインデックスに連動することから、国内のETFと同じく値動きを把握しやすいことも見逃せないポイントでしょう。さらに言えば、買い付けた時点よりも円安になっている局面で売却すると、為替差益が生じるという魅力も秘めています。

ただし、買い付けた時点よりも円高になっている局面で売却すると為替差損を被るというデメリットも挙げられますので、その点には留意しておくべきでしょう。これは海外ETFに限った話ではなく国内のETFやリスク商品全般に共通することですが、価格変動リスクは排除できません。思惑とは反対方向に相場が動けば含み損が発生することになります。

 

■充実している海外ETF

なお、海外ETFに投資するためには、証券会社で外国証券取引口座を開設する必要があります。証券会社の窓口で担当者からアドバイスを受けながら購入するのも一考の余地がありますが、手数料などのコスト面を踏まえればインターネット取引を選んだほうが有利でしょう。

前述したように、海外ETFは外国株式を直接売買するケースよりも少額から幅広い分散投資が可能となります。投資信託にも外国株式などを対象としているものがありますが信託報酬が割安です。海外ETFのほうが選択肢もより充実していると言えるでしょう。

海外の経済状況はよくわからず、投資先として敬遠している方もいるのではないでしょうか。難しく考えず、新たな視点で検討してみてはいかがでしょうか。