ETFはどのように作られているの? ~わかりやすい組成の仕組み~

ETFはどのように作られているの? ~わかりやすい組成の仕組み~
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株式市場で注目される「ETF」ってなに?

最近、株式市場の1日の出来高ランキングトップ10にも、ETFと名の付く銘柄がずらりと並ぶことがよくあります。

日本を代表するトヨタ自動車やソニー、日立製作所、NTT、ソフトバンクグループ、ファーストリテイリング、三菱UFJフィナンシャル・グループなどの超一流企業と並んで、ETFが数多く売買されているのです。証券取引所で超一流企業と並んで売買されるETFとは何なのでしょうか。ETFの仕組みと、その魅力について紹介します。

ETFとは「Exchange Traded Fund」の略で、日本語で言うと「上場投資信託」になります。最大の特徴は、様々な「指数(ベンチマーク)」に連動するインデックス運用の投資信託であり、そのファンドが「証券取引所=株式市場」で売買取引されているということです。つまり「指数に連動するインデックス型ファンドが株式市場で売買されている」と考えればわかりやすいかもしれません。

TOPIXは、東京証券取引所に上場している全銘柄の動きを指数化したものですが、個々の銘柄に投資するよりも、値動きが平均化されるためにより変動幅の少ない安定した動きになります。

近年、シャープや東芝のように、高い技術を持った国際優良株と思われていた銘柄であっても、何かのトラブルで株価が暴落してしまう事例が少なくありません。その点、指数に連動するETFであれば、個別銘柄にはない安定感と変動幅の少なさがあるわけです。

また、ETFには一般の投資信託と比べても様々なメリットがあります。たとえば、インデックス運用のために信託報酬などが安くなる点です。さらに、販売会社に支払うはずの信託報酬や販売手数料がないために、手数料が全体的に格安になります。投資信託は種類によっても異なりますが、インデックス型であっても年間2%程度の販売手数料や信託報酬が個別にかかります。その点、ETFならトータルでも1%程度で済みます。

 

 

インデックス型ファンドから組成されるETFの仕組み

さて、そんなETFですが、どのようなプロセスを経て組成されるのでしょうか。ETFは、大きく分類すると「現物拠出型」と「リンク債型」に分けることができます。ちなみに、現在の株式市場では投資信託のスタイルをとっていないETFや外国籍のETFなども売買されていますが、すべてETFとして取り扱われています。

現物拠出型ETFは、まずは運用会社が証券会社や機関投資家(銀行、保険会社、年金基金)といった「指定参加者」と呼ばれる機関から資金を集めます。その際の手順が通常の投資信託とは少し異なります。

現物拠出型ETFという名が示すように、指定参加者はまず市場から現物の株式などを買い付けます。ここで作られるのが現物株などを集めてセットにした「現物バスケット」です。これが運用会社に拠出され、運用会社は現物バスケットを基にETFを組成します。その際、指定参加者に対しては現物バスケットの代わりにETFの持ち分を示す「受益証券」を交付します。

簡単に言うと、資金を出して揃えた現物のバスケットとETFを交換したことになります。現物が入ったバスケットとETFは相互に交換でき、しかも価値は常に同一ですから、たとえばバスケットに入れる現物株を「日経平均株価」の225銘柄で構成すれば、日経平均株価に連動するETFを作ることできるわけです。

その上で、指定参加者によってETFの受益証券が株式市場に上場します。一般の投資家は上場したETFの受益証券を市場で売買することで、日経平均株価に連動するETFを手に入れることができるようになります。これに対してリンク債型ETFは、指標に連動する債券に投資するものです。銀行や保険会社、年金基金などの「指定参加者」が運用会社に出資して、運用会社によってETFが組成されます。指定参加者は、組成されたETFの持ち分を示す受益証券を受け取り、ETFを証券取引所に上場して株式市場で売却します。このリンク債型ETFは、現物拠出が難しい新興国の株価指数、原油や金などのコモディティ商品などを指数化した投資対象に対して組成されます。

 

 

ベンチマークや市場価格との乖離など構造的な問題点も

ETFが大きく注目を集めているのは、株式の売買と同様に、時価でいつでも売買ができるという特徴があるからです。株式の売買同様に、市場さえ開いていればリアルタイムで売買注文が出せるのです。ETFの大きな魅力の一つと言っていいでしょう。ただし、市場価格で動くゆえにETFの価格設定にはいくつか問題が出ることも事実です。株式市場で価格形成されるETFの価格と、実際の価格との間に「乖離」が生ずる現象です。乖離現象が起きるのは次の2点です。簡単に解説しておきましょう。

 

 

  1. ETFの基準価格と連動するベンチマーク指数の乖離

ETFには、投資信託同様に「配当」や「分配金」が出るため、配当などのない指数との間に乖離が起きてしまうことがあります。さらに、投資対象の組み入れがベンチマークを完璧にカバーすることができない場合もあります。たとえば、TOPIX連動のETFは、数千の銘柄すべてに投資することは事実上不可能で、乖離が発生する原因になります。

この他、指数採用銘柄の入れ替えなどポートフォリオの調整に伴う売買コストもかかってきます。さらに、信託報酬や監査費用、売買に伴う税金、ベンチマークの商標権使用など、ETFの運営には様々なコストもかかってきます。こうした各種のコストがベンチマークとの乖離を拡大させる原因になります。

 

 

  1. ETFの基準価額と市場価格との乖離

ETFは株式市場で誰もが売買注文を出せる投資商品であるために、市場の需給によっても市場価格が変化します。アベノミクスの初期には、株価上昇を期待した投資家が一斉にETFを購入したため、平均株価との間に乖離が出たETFも数多く出ました。

また、原油価格や金価格といった海外市場で価格が形成されるETFでは、海外市場との時差があるため大きな乖離が発生するケースもあります。日本市場では大きな変化がないのに、日本市場のクローズ後に大きなニュースが流れてETF価格が暴落してしまうような価格の乖離現象も覚悟すべきかもしれません。

こうした乖離現象は、場合によっては大きく拡大するケースもあります。ETFの売買では、常に念頭に入れておきましょう。

  

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