年金は運用で守る時代 ~ あなたは確定拠出年金の成績を覚えていますか?

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公的年金に関しては、誰しも大なり小なりの不安を抱いていることでしょう。少子高齢化に伴い、年金を受け取る人たちが増えていく一方で、その原資を負担する現役世代の数は減っていきます。

しかも、日本は1,000兆円にも上る財政赤字を抱えています。これは先進諸国の中でも突出しており、福祉に充てられる予算はおのずと限られてきます。こうしたことから、すでに基礎年金については段階的に減額されていくことが決定しています。

こうした人口構造の変化などの影響を受けるのは、企業年金も同じです。そこで、確定給付年金(DB)から確定拠出年金(DC)への移行を図る企業が増えています。

DBからDCへのシフトは、自分自身の判断によって年金原資の運用を行うのが必然となることを意味しています。もしも、あなたの勤務先がDCを導入していたなら、自分の年金原資の運用状況が具体的にどうなっているのかを把握しているでしょうか。

おそらく、即座に損益状況などについて答えられる人は多くないはずです。すべてお任せだったDBの時代が長かっただけに、それは無理もないことでしょう。

DB(確定給付年金)とDC(確定拠出年金)の違い

そもそもDBとDCの違いについても、世間で認知が進んでいるとは言いがたいのが実情です。DBは将来の年金給付額があらかじめ決められており、運用も勤務先が行うので手間要らずと言えます。しかし、受け取る人たちの増加で財政事情が苦しくなってくれば、公的年金と同様に確定していたはずの受給額が減額となる可能性もあります。年金原資の積み立て不足が深刻化すると、その会社の業績を圧迫することになるでしょう。

DCにおいて確定しているのは、会社側が従業員のために拠出する毎月の掛け金です。「老後にいくらの年金をもらえるのか」については未確定となっています。従業員自身がいくつかの選択肢の中からこれぞと思う投資先を選んで組み合わせ、その運用によって得られた成果に基づいて将来の年金額が決まります。

投資先の選択は自己責任に基づいて行うことが大原則となってくるものの、判断が的確であれば相応の成果が期待でき、それはすべて自分だけのための年金原資となります。会社側にしても積み立て不足などが発生しないことから、制度を維持しやすい利点があります。

言い換えれば、DCにおいては運用が不可欠であり、その判断が老後の暮らしを大きく左右することなるわけです。そうなると、「とにかく減らさない運用を・・・」と考えがちですが、守りを固めすぎればおのずと増やすことも叶わなくなってきます。

例えば、安全で確実な日本国債偏重のポートフォリオなどを組んでいると、なかなか年金の原資は増えていきません。年金の運用は数十年単位の長期スパンで行うものですから、時間を味方につけながらリスク資産も交えてリターンの向上を図っていくことが重要です。

DCに設けられた3つの税制上の優遇にも注目を!

そして何より、①拠出時、②運用時、③給付時に設けられているDCの税制上の優遇にも大いに注目したいところです。

まず、企業側が負担した拠出金(掛け金)は従業員の所得にカウントされず、税金が課せられることはありません。加えて、一般的に金融商品で得られた利益からは20%の税金が差し引かれますが、DCの運用益は非課税となります。さらに、将来的に受け取る際にも「公的年金等控除」の適用となりますし、一時金としてまとめてもらった場合も「退職所得課税」が適用され、その分だけ納税額を抑えられます。

結局、DCの運用において重要なのは「適切な資産配分」です。あまりにも保守的で増えないポートフォリオは極力避ける一方で、むやみにリスクをとりすぎず、より幅広い投資対象に分散を図って全体的なバランスを整えることが大切です。

そのうえで、まったく放っておくのではなく、定期的に運用状況をチェックすることも欠かせません。相場の変動に伴って当初に定めていた配分比率に狂いが生じていた場合は、その度合いに応じてバランス調整を行うのが理想です。「資産運用にはあまり興味がない」という人もいるかもしれませんが、DCが企業年金の主流となりつつある今は、避けては通れないでしょう。こうして必要に迫られる以上、着実に好成果を残して憂いのない老後を迎えたいものです。

  

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