インデックス投資にはETFを上手に使おう!

投資信託ではアクティブとインデックスとでよく対比されますが、アクティブ投資が市場平均を上回るパフォーマンスを目指すのに対して、インデックス投資は市場平均を目指す投資手法です。長期間に渡って市場平均を上回るパフォーマンスをあげ続けることがいかに難しいか想像に難くないと思いますが、長期投資を考える人は自ずとインデックス投資に辿り着くのではないでしょうか。今日は、投資を検討しているあなたに、インデックス投資の効果的な使い方をご紹介いたします。

1.インデックス投資とは?

インデックスとは、日経平均株価やTOPIX、S&P500など国内外の平均株価を表す指数のことであり、こうした指数に連動させる運用方法をインデックス投資やインデックス運用と呼びます。指数に連動する投資信託であればインデックスファンドと呼ばれます。

<主要株価指数推移>

2.インデックス投資が注目されている理由

個別の株式でキャピタルゲインを狙うのが投資の醍醐味の一つですが、そうは言っても継続的に利益をあげることができる人は多くはありません。それは、投資のプロが運用するアクティブファンドでも同じことが言えるでしょう。こうした中で、市場平均に連動するパフォーマンスを目指すインデックス投資が、以下の理由から注目を集めています。

2-1.インデックスは上昇することを目指して作られている

そもそも市場主義経済において経済活動は国、地域、企業の成長を目的に行われています。その経済活動の表れである株価も本質的に上昇することを目的としています。一般的に、株価指数はその市場を代表する企業、成長企業で構成されており、また業績が悪化した企業は他の成長企業と入れ替えられるため長期的に右肩上がりのカーブが描かれるように設計されているのです。もちろん状況によって下落が続く期間も当然ありますが、米国であれば2008年のリーマンショック以降他の株価指数よりも強い上昇カーブを描いています。

2-2.投資初心者にも分かりやすい

例えば、日経平均株価は 日本を代表する225社の株価を表す指標で、トヨタ、ユニクロなど東証1部上場225銘柄を対象に算出され日本の経済状況を反映した指標と言えます。初心者が個別銘柄でキャピタルゲインを狙うにはそれ相応の努力、情報収集が必要です。だからと言って個人で225銘柄買い集めるのも現実的ではありません。そんな時に日経平均株価に連動するインデックスファンドやETFならば、225銘柄に投資するのと同じ効果を得られ、しかも少額から投資できるのです。

2-3.アクティブ運用に比べ圧倒的に低コスト

アクティブファンドは、数値的なスクリーニングだけでなくファンドマネージャーが企業をリサーチして銘柄を選定、入れ替えを行うため、当然その分コストがかかっています。それに対してインデックスファンドはベンチマークとなる指数に連動させるために機械的に運用を行います。そのため、運用コストである「信託報酬」が一般的にアクティブファンドの半分以下の比率に設定されているものが多くなっています。長期投資の場合、この信託報酬比率が低い方が投資家にとって有利なことは言うまでもありませんよね。

3.インデックス投資をはじめる前に知っておくべきこと

では実際にインデックス投資をはじめようとした時に、日経平均は分かるけど他にどんなインデックスがあるのか、具体的にどういった金融商品に投資すればよいのかご案内します。

3-1.インデックスの種類

一言でインデックスといっても、資産クラス、国・地域など様々な種類があります。自分の資産をどういったインデックスで運用したらよいのかを決めるために、まずどのような種類のインデックスがあるのか代表的なインデックスをご紹介いたします。

3-2.インデックス投資をできる金融商品

インデックス投資をできる金融商品はインデックスファンドかETFとなります。ともに大枠としては投資信託になりますが、インデックスファンドは非上場の投信信託で、ETFは取引所に上場されている投資信託となります。長期投資前提でのコスト面と売買の融通性から見るとETFの方が投資家思いの設計となっています。一方、商品ラインナップはインデックスファンドの方が豊富であり、分配金の自動再投資や自動積立などの制度が確立しているのもインデックスファンドです。それぞれの概要を見ておきましょう。

4.インデックス投資を始めるならETF

これからインデックス投資を始める方には、ずばりETFがおすすめです。その理由を詳しくご説明します。

4-1.最初はETFから投資する

これからインデックス投資をする方には、まずETFをお勧めします。ETFは株式と同様、証券取引所に上場され取引時間中いつでも売買できる投資信託です。非上場のインデックスファンドに比べ保有コストも比較的安く少額から投資できるので、いつでも取引できるのでまずは気になる銘柄に気軽に挑戦してみてください。何を選んでいいのか分からないという方は、最初は日経平均株価に連動するETFの中で純資産額や出来高の多い「日経225連動型上場投資信託(コード1321)」が良いでしょう。

>>日経平均連動型ETF 初心者におススメの理由をテクニカルアナリストが徹底解説!

4-2.毎月積立をするならインデックスファンド

ある程度買いたい銘柄が絞れている場合、投資に慣れた方は相場状況に応じてスポットで購入できるでしょうが、最初からそう上手くは買えません。ならば、特定の銘柄を定期的に一定金額ずつ自動的に購入できる方がいいですよね。ただETFには積み立て制度がありませんので、ここはインデックスファンドを活用しましょう。

4-3.海外投資にもチャレンジしてみよう

インデックス投資の種類は国内に留まりません。高パフォーマンス狙うためには日本よりも世界に投資した方が良いのは明らかです。これまではS&P500を購入したくても、どこで買えばいいのかピンとこなかったかもしれませんが、今はネット証券を通じて手軽に投資することができます。為替交換の必要があるため、手数料コストは国内ETFよりもやや高くなるでしょうが、長期で見た時のキャピタルゲインに大きな差が出るでしょう。

4-4.ポートフォリオ運用にチャレンジ

少しハードルは上がりますが、投資に慣れてきたらぜひチャレンジして欲しいのがポートフォリオ運用です。耳慣れない言葉と思うかもしれませんが、年金や保険といったプロの機関投資家も活用している上級者向け投資手法の基本となる考え方です。ネットで検索すれば無料のポートフォリオ構築ツールもありますので、そういったものも活用できますが、ここでは投資スタイルに応じた資産配分例をご紹介します。

このように、自分の投資スタイルに合わせて様々な割合を決めて資産配分することで、より安定的かつリスクを抑えて投資をしようという考え方です。

【想定する代表銘柄】

海外債券ETF:iシェアーズiBoxx米ドル建て投資適格社債ETF(ティッカー:LQD

日本株ETF:日経225連動型上場投資信託(コード:1321)

米国株ETF:SPDR®S&P500®ETF(ティッカー:SPY)

新興国株ETF:バンガード®・FTSE・エマージング・マーケッツETF(ディッカー:VWO)

原油:WTI原油連動ETF(ティッカー:USO)

金:SPDR®ゴールド・シェア(ティッカー:GLD)

※日本株ETF以外は海外ETFを想定しています。

5.まとめ

いかがでしたでしょうか。言葉だけでは難しそうな印象受けるインデックス投資ですが、初めて投資する方には小額から分散投資ができるインデックスファンドやETFが適しているのではないでしょうか。特に長期的な視点で運用しやすくインデックスファンドと比べて保有コストの低いETFは、初めての方にも分かりやすい銘柄が多いので、ぜひETFから投資をスタートしてはいかがでしょうか。

 ETFについて詳しくはこちらの記事をご参照ください。

>>初心者こそETFに今すぐ投資すべき!ETFのメリット3つ