
(写真=PIXTA)
レバレッジ型と呼ばれるETFが大きな人気を集めています。なかでも「NEXT FUNDS日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(日経レバ)」は、2012年4月の上場以来、急速に人気が高まっており、ETFランキングはもちろん、東証に上場する全銘柄の売買代金ランキングでも常に上位に位置するほどです。
東証の売買代金で圧倒的な存在感を示すその商品性を、今一度見て行きましょう。
日経レバの売買代金は トヨタをしのぐ
トヨタ自動車やソフトバンク、三菱UFJフィナンシャル・グループなどの大型株を押しのけるほどの人気を誇る「日経レバ」とはどのような商品なのでしょうか。
「日経レバ」の2015年1月から12月18日までの累計売買代金は約40兆円にものぼり、2位のトヨタ自動車の約16兆円を大きく引き離してトップとなっています。
「日経レバ」は日経平均株価の1日の変動率の2倍の幅で動く指数に連動する商品で、日経平均先物を使って運用されています。
例えば、日経平均株価が2%値上がりした日は「日経レバ」は4%値上がりし、3%下落した日は6%下がることになります。
つまり日経平均株価やTOPIXに連動する商品より大きな値上がり益が期待できることになるのです。
さらに「日経レバ」は1万円程度の少額から投資することができるので「少ない資金で大きな利益を狙える」とリスクを好む個人投資家を中心に人気を呼んでいます。
株を取引できる口座があれば先物・オプション取引口座を申し込む必要がない、株式市場の取引時間中に市場価格で何度でも売買することが可能というメリットもあります。
「日経レバ」はその人気から、15年10月には新規募集が一時停止になったほどです。
これは投資資金が集中して資産規模が膨らみ過ぎた結果、指数との連動性を維持するのが困難になることを回避するための措置とされています。
日経レバは「短期・超短期取引」に向いている
「日経レバ」が最も効力を発揮するのは、ほぼ一本調子で株価が上昇しているような局面。
一方、レンジ相場で上下動を繰り返しているような局面では思うように利益が上がらないこともあります。
「日経レバをずっと保有していれば株価が上がった時の儲けが2倍になる」と誤解されることもありますが、日経レバが運用成果として目指しているのはあくまでも「1日の騰落率の2倍」であり、2営業日以上経過した期間では必ずしも2倍にはなりません。
数日、数カ月といった中長期では、目標の2倍から大きく乖離することがあるので注意が必要です。
例えば日経平均が1万円の時に「日経レバ」を購入し、数年後に日経平均が1万5000円まで上昇したとしても、5000円の2倍の1万円のリターンを獲得できるとは限らないということです。
「日経レバ」は短期や超短期の値動きを狙うのに適した商品で、長期保有する場合は、日経平均株価やTOPIXなど通常のインデックスに連動するタイプのETF商品の方がリターンは大きくなる場合もあります。
インバース型ETFは 相場の下落局面で利益を狙える
相場の下落局面では「日経レバ」は日経平均株価の2倍下がることになることにも留意しておきましょう。
損切りするポイントを決めておく、下落トレンドが続いている中で買い増しはしないなど、しっかりとリスク管理をすることが大切です。
相場の下落局面でも利益を狙うなら、日経平均株価などの指標とは逆の値動きを目指して運用されるインバース型ETFを利用するという方法もあります。
ダブルインバース型と呼ばれる商品はいわば「日経レバ」の逆バージョン。
例えば、日経平均株価が前営業日比で5%上がったら10%下がり、5%下がった場合は10%上がるように設計されています。
信用取引より手軽に、保有資産の下落リスクをヘッジできると人気を集めています。
爆発的ともいえる人気を呼んでいる「日経レバ」。
うまく使えば「少ない資金で大きな利益が狙える」商品ですが、リスクもあることを忘れずに。
仕組みや商品特性をきちんと理解することが重要といえるでしょう。