日本人に分かり難い大統領選挙と米国のインフラ投資の必要性

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

(iStock.com/Bastiaan Slabbers)

アメリカの大統領選挙も残すところ2週間を切りました。

 

トランプ候補の過去の女性蔑視の物議を醸す発言や行いが報道される度に、トランプ氏の大統領の椅子は遠のき、クリントン候補の当選は間違い無いだろうと思ってしまいます。

 

しかし、選挙の結果は最後の最後までどうなるかわかりません。

良い例が今年の6月の英国のEU離脱です。これは誰もが驚く全くの想定外の結果となりました。

 

トランプ候補の過去についてのニュースが伝えられる度に、同氏の将来の大統領としての資質に疑問を持ち、なぜ未だに彼が一定の人気を維持できているのを不思議に思うのは、私だけではないと思います。

 

では、なぜ未だトランプ候補は人気を維持しているのでしょうか?

 

トランプ人気は現状への不満の裏返し

 

失言が多く、非常識な発言が散見されるトランプ候補ですが、彼の人気の理由のひとつは、彼は貫禄があり、アメリカ人は自信があるリーダーが好きだからなのだといいます。

また、彼の話は小学4年生でも分かるくらい分かり易すく話すのも人気の一つだといいます。

実際、そう意識をして彼のスピーチを見てみると、確かに彼の話し方は分かり易く、同時に貫禄もあります。

そもそものアメリカの抱える根本的な問題としては、多くのアメリカ人が自分たちの国の経済、政治の現状に対し非常に不満を持っているという事実でしょう。

そこで、政治家であるクリントン候補でなく、

 

「アメリカを変えよう、政治を変えよう。アメリカを今一度偉大に国にしょう!」

 

と掲げるワシントンのインサイダーでないトランプ候補はとても頼もしく思えるのです。

 

では、大統領選挙の結果を受けたアメリカ株の反応はどうなるでしょうか。

株式市場は不確実性を嫌います。

 

万が一、トランプ候補が勝利するような事があれば、市場は何を言い出すかわからない同氏の不確実性を嫌い、とりあえず株価は大きく下がる一方、クリントン候補の勝利の場合は、市場は不安材料がなくなった事を受け「勝利のラリー」を演じるというのが今のウォール街のコンセンサスの様ですね。

 

大統領選で注目すべきセクターはインフラ投資

 

どちらの候補が当選しても恩恵を受ける投資のテーマがあります。

それはインフラ投資です。

アメリカの広大な高速道路、水道、空港、港湾施設等のインフラ・ネットワークは大きく老朽化しています。

このような事実を受け、クリントン、トランプ両候補ともインフラ支出の拡大を今回の大統領選挙の公約に掲げています。

 

クリントン候補は今後5年間で2750億ドルのインフラ投資を提案しています。

トランプ候補は、クリントン候補の掲げるインフラ投資の少なくとも倍の予算の投資とすると発表しています。

米国土木学会によると、アメリカは2020年までに3.6兆ドルのインフラ投資が必要だと言われています。

 

また、S&P社によると、これから4半期の間にGDPの1%(1600億ドル)をインフラ投資に費やすと、4年以内でGDPに与える影響は2700億ドルといい、73万人の雇用を生み出すといいます。

インフラ投資が経済に好影響を与えるのは明らかのようです。

このような流れの恩恵を受けるETFがあります。

 

ブラックロック社のiSharesグローバル・インフラストラクチャーETF (NASDAQ: IGF)です。

 

9月30日付の同社のファクトシートを見てみますと、このETFは、運輸、通信、水道、電力のインフラ関連企業に投資をする事を目的となっています。

IGFの国のアロケーションは、38.32%がアメリカ、スペイン9.16%、カナダが9.02%、8.67%がオーストラリア、6.25%がイタリアです。

セクターの投資先を見てみると、交通関連が40.12%、公益関連39.21%、資源関係20.17%等となっています。

IGFの株価は40.45ドル。配当利回りは3.122%。年初からの株価の上昇率は14%とS&P500の上昇率を上回っています。(現地時間10月25日現在)

 

コメントを残す

*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください