米大統領選の結果と来年の米国株

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世界的に今年は少なくとも二つの想定外のイベントが起き世界を驚かすとともに、世界中の投資家をやきもきさせることになりました。

 

その二つとは6月の英国の欧州連合からの離脱と、アメリカでのトランプ大統領候補の当選です。

 

アメリカの大統領選については、選挙直前にFBIがクリントン前国務長官の私用メール問題を蒸し返したことがトランプ候補に敗れた原因だとクリントン氏は語っていますが、それでもトランプ候補の勝利は世界中の投資家が理解に苦しむ結果となりました。

アメリカ株は選挙前の二日間はクリントン候補の勝利を期待し上昇、選挙の結果がはっきりし始めトランプ候補の優勢が伝えられるや否や、アメリカ株の先物が大きく下落、これを受け日本株も大きく下落しました。この市場の反応は想定内でした。しかし翌日の米国株の市場の反応は意外なものとなりました。世界中の市場参加者の期待を裏切り、その日のアメリカ株は上昇したのです。

ウォール街では、トランプ当選の際には市場は5%以上下落するといわれていましたので、アメリカ時間での市場の反応は想定外の結果となりました。

大統領選挙日が終わってから1125日までの12日間でS&P500は 約3.3%上昇しました。 今までトランプ候補に対して不信感を持っていたはずの市場は、同氏が当選するや否や新政権後のアメリカについて現実的な分析を行い始めたのです。しかも、速やかに。 選挙中の様々な政策について、攻撃的な発言を行ってきた同氏ですが、おとなしめな姿勢をとるようになりました。この辺りも市場に安堵感を与えたのだと思います。では、トランプ新大統領がアメリカに、いや、アメリカの株式市場にどのようなプラスの影響を与えるか整理してみましょう。

 

 

減税がアメリカ企業の業績に与える影響 

アメリカ企業にとって最も大きな影響を与えるのが減税でしょう。アメリカの法人税は35%ですが、トランプ候補は15%へカットすると公約しています。減税が企業業績に与える影響は、実際に減税の詳細がはっきりしないとわかりません。

減税実施のタイミング等が分かった来ると企業業績に与える影響わかってきます。現時点での2017年のS&P500のコンセンサス予想一株当たりの利益は137ドルですが、減税による効果は8ドル程度の増益になるだろうとの見方があります。これはアメリカの株価の上昇にとって大きなプラスとなるでしょう。

 

米国企業が海外に保有する膨大な現金へ与える影響

減税による効果はこれだけではありません。米国外には少なくとも2.1兆ドルという米国企業が保有する現金や証券が滞留しています。企業がこの現金を米国に持ち込むとすると35%の税金がかかるからなのですが、減税によりこの現金が米国へ送還されやすくなるでしょう。そうすると企業は自社株買い、増配、M&Aに使えるようになります。これも株式市場にとって間違いなくプラスです。

 

 インフラ投資

トランプ候補は、1兆ドルのインフラ投資を行うとの公約を掲げています。 トランプ氏は、道路、橋や、空港などのインフラがあまりにも老朽化している事を指摘。実際アメリカの多くのインフラは戦前に建てられたものも多く、大規模なインフラ投資が必要です。インフラ投資は長期に渡って行われることになりますので、米国経済にも長期にわたってポジティブな影響を与えることになるでしょう。

 

政治はトリプルR

これに加え、アメリカの政治は、共和党の大統領だけでなく、議会を見ても上院、下院ともに共和党と、3RRepublication=共和党)という共和党政権にとって政策も通りやすい環境となりました。

 

これからアメリカ株の投資をETFで行うとすると、S&P500のパフォーマンスに追随するETFも良いのですが、トランプ新政権が掲げる「アメリカを再度偉大な国へ」という政策の恩恵を受けるのは、海外の売り上げの多い大型銘柄ではなく相対的にアメリカ国内の売り上げ比率が少ないアメリカの中小型株ではないかと思います。そういった意味では、ブロックロック社の iシェアーズ・コア S&P 中型株 ETF (IJH), iシェアーズ・コア S&P小型株ETF (IJR)、 iシェアーズ ラッセル 2000 ETF (IWM)あたり投資妙味があるのではないかと思っています。