
FOMCの結果
7月26・27日の両日に渡って開催されていた連邦公開市場委員会(FOMC)が閉会しました。
今回の声明文では:
「景気見通しに関する目先のリスクは消えた」
という表現が新たに加筆されました。
また4月の声明文に見られた:
「労働市場の改善のペースは鈍化したように見える」
という表現は削除され、代わりに:
「労働市場は強くなっており…(中略)…労働力の活用は増加している」
と指摘しています。
さらに:
「家計部門の消費は力強く伸びている」
という表現が加えられました。
利上げシグナルへの「下ごしらえ」が完了
今回の声明文の一連の改変は、それ自体はすぐに利上げを示唆する内容ではないと思います。しかし文面から懸念材料が一掃されたことは、次のステップとして利上げを市場に対してシグナルしてゆく下ごしらえが出来たと解釈すべきです。
8月のジンクス
長くFEDウォッチングをしている市場関係者の間では、FRBが夏場に下半期の金利政策に関する大方針を固めることが多いことを経験的に知っています。
新方針を打ち出すにあたって、FRBは真空状態で勝手に決断を下すのではなく、小手調べに新しい方向性を市場にリークし、市場の反応を見ます。別の言い方をすれば、「アドバルーンを上げる」わけです。
それで市場が荒れないようなら、いよいよ新機軸を出す方向に傾斜してゆくし、市場が「ちょ、ちょっと待ってよ!」と拒否反応を示すようだと、サッサとその案を葬るわけです。
この小手調べは、例年、8月下旬に開催される、ジャクソンホール・シンポジウムの前後に行われます。
ちなみに去年は、ジャネット・イエレン議長はジャクソンホール・シンポジウムを欠席しました。なぜならFRBが当時考えていた政策金利の手綱捌きを改変する必要が全く無かったからです。
今年のシンポジウムは8月25日~27日にかけて開催されます。