
セクターETFとは?
セクターETFとは特定の産業セクターだけに投資することを可能にするETFを指します。
2015年末の時点で、350種類、純資産にして3千億ドルを超えるセクターETFが存在しています。
セクターETFの使われ方
年金ファンドや基金の中には、運用を外部に任せるのではなく、自社運用しているところもあります。ただ、すべてのセクターに専門のアナリストを置いて、投資すべき個別銘柄を日頃から研究しているか? といえば、そこまで手が回っていないファンドも多いです。
そのような機関投資家が、専任担当者を置いていないセクターに投資する場合、単純にセクターETFを買ってお茶を濁すということが行われています。これは合理的で、割り切ったファンドの運営手法と言えるでしょう。
次にヘッジファンドの場合、株式市場におけるセクターの人気の変化に応じて、セクターETFをトレードすることがポピュラーです。
代表的なセクターETF
代表的なセクターETFには、下のような銘柄があります:
エネルギー・セレクト・セクターSPDRファンド(ティッカーシンボル:XLE)
金融セレクト・セクターSPDRファンド(ティッカーシンボル:XLF)
資本財セレクト・セクターSPDRファンド(ティッカーシンボル:XLI)
テクノロジー・セレクト・セクターSPDRファンド(ティッカーシンボル:XLK)
一般消費財セレクト・セクターSPDRファンド(ティッカーシンボル:XLY)
生活必需品セレクト・セクターSPDRファンド(ティッカーシンボル:XLP)
公益事業セレクト・セクターSPDRファンド(ティッカーシンボル:XLU)
景気、金利とセクターの人気について
さて、一般に「景気の強い・弱い」、ならびに「金利が高い・安い」と言う組み合わせに応じて、株式市場で人気化するセクターはローテーションを起こすことが知られています。それを説明したのが下図です。
ここで重要なのは、投資家が(次にどうなる?)と期待しているか? ということです。
もし投資家が(次に景気は強くなり、金利は上昇する)と予想しているのなら、上図の灰色の部分、すなわち工業株(=資本財)、素材株、消費循環株(=一般消費財)がアウトパフォームしやすいというわけです。
逆に(次は景気が弱くなり、金利も下がる)というシナリオを皆さんが持っているのであれば、買うべきセクターETFは、公共株(=公益事業)や消費安定株(=生活必需品)になります。
上の図は、ポートフォリオ戦略を立てる上で、頭を整理するのにとても役立ちます。
是非、覚えておいてください。