
雇用統計
8月5日(金)に7月の雇用統計が発表されました。総じて強い内容でした。
まず非農業部門雇用者数ですが、予想の+18万人を上回る+25.5万人でした。
5・6月の数字も少し上方修正されています。
失業率は予想に一致する4.9%でした。
労働力率は62.8%でした。
平均時給は8¢上昇しました。
利上げのタイミング
これで6月に続き7月の雇用統計も良かったので、5月の非農業部門雇用者数の落ち込みは、一時的なものだったことが確認できました。
言い換えれば、米国の雇用市場は強いわけです。
賃金の上昇もコンスタントになってきていることから、インフレ率は連邦準備制度理事会(FRB)の目標である2%に向けて、着実に上昇していく可能性が強まりました。
それは次の利上げのタイミングに市場関係者の関心が集まることを示唆しています。
折から8月はFRBが年後半から来年にかけての金利政策を固める大事な時期です。
月末にはワイオミング州ジャクソンホールで恒例のシンポジウムが開催されます。去年、ジャネット・イエレン議長は欠席したのですが、今年は出席する予定です。
つまりこのシンポジウムの前後に、次の利上げのタイミングに関してシグナルが出る可能性が高いということです。
いまのところ9月の利上げという線は可能性としてゼロではないけれど、確率的には低いと思います。
次の連邦公開市場委員会(FOMC)の前に、もう一度、雇用統計の発表がありますので、それ次第でしょう。
いずれにせよ、一部の市場参加者が考えていた(今年は、もう利上げは無い)という見方は、軌道修正される必要があると思います。
その場合、ドルは一旦、買われると考えるのが自然です。
また、(今年は利上げ無し!)という事を前提に買い進まれてきた株式も、調整局面を迎えるリスクが高まったと思います。