
国際エネルギー・フォーラム
9月26日~28日にアルジェリアで国際エネルギー・フォーラムが開催されます。
サウジアラビアのハリド・アルファリ産業鉱物資源相は「そのフォーラムに合わせて、原油市場を安定させるために必要な措置に関して、OPECならびに非OPECが話し合う機会が生まれた」とコメントしました。
原油価格は反発
原油価格はこのコメントに反応して8月3日の39.5ドルの安値から8月12日には44.6ドルまで反発しました。
ただ、これはショート・カバー(=空売りの買戻し)の色彩が強く、9月の非公式会合で減産への合意が本当に形成されると考えている投資家は少ないです。
原油市場の動向
ここで簡単に原油市場の動向を振り返っておきます。まず北米のオイルリグ・カウント(青)ですが、このところボトムをつけ、油井数は増加に転じています。
前週に比べてオイルリグ数の増減の様子を示したのが下のグラフです。
このところ明らかに増加に転じていることがわかります。
オイルリグの増加は、将来の需給の悪化要因です。
ただ2014年のピークの1,600本から現在の300本台へと油井数が激減した関係で、足下の米国の原油生産高は未だ減少を続けています。
油井数の増減と原油生産高の増減には、ある程度のタイムラグがあります。従って直近ではリグカウントが増加に転じたものの、原油生産高はまだしばらくの間、下落しつづけると考えるのが自然です。
需給に影響を及ぼすその他の要因
需給関係に影響を及ぼすその他の要因としては、カナダで発生した大規模な山火事の影響で一時生産がストップしていたオイルサンドは、すでに作業員が現場に戻っています。従って今後生産が増えることが予想されます。
また米国の夏のドライブ・シーズンは9月5日のレーバー・デイで終わるため、今後は需給関係が悪化する要因の方が多いと思います。
ショートの買戻し一巡後は保ち合い相場か
アルジェリア国際エネルギー・フォーラムにおける非公式会合で何らかの合意が形成される可能性は低いので、現在のショート・カバーによる買戻しが一巡すれば原油価格は保ち合い相場に入ることが予想されます。