
FOMC議事録が公開された
7月27日に実施された連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録が今日(8月17日)公開されました。
意見対立
ひとくちに言えば、連邦準備制度理事会(FRB)メンバーの中での意見は割れており、コンセンサスは醸成されていません。
一部のメンバーは一刻も早く利上げすべきだという考えをもっており、イライラが募っていることが議事録から伝わってきます。その反面、まだまだ利上げは早過ぎるという意見も根強く残っています。
7月27日のFOMCではカンザスシティ連銀のエスター・ジョージだけが利上げに賛成の票を投じました。しかし今日公開された議事録を見ると、もう一人、たぶん投票権を持たないメンバーが「利上げすべきだと主張した」と記されています。
長期的視点から見れば、そろそろ利上げすべき
さらに数人のメンバーは、もう余り長くは待てないと主張しました。その理由として労働市場は既に完全雇用の水準に達している事、その他の経済指標は利上げを正当化できるものである事、インフレが加速する可能性がある事、現在の0.50%のフェデラルファンズ・レートを維持し続けると投資家が横着なリスクを取り始める恐れがある事、などが挙げられています。
海外要因
英国のEU離脱をめぐる国民投票などの海外要因は、無事過ぎ去ったと考えるメンバーが多かったです。その反面、イタリアの銀行システムに対する懸念は議事録の中で二回言及があり、それが投票権を持つメンバーが利上げに慎重だったことのひとつの理由だとされています。
国内指標
一方、アメリカ国内の方に目を転じると、8月の非農業部門雇用者数は25.5万人と強い数字でしたが、それ以外の最近の経済指標はまちまちの内容でした。
まとめ
結論として、9月の利上げの可能性はゼロではないけれど、景気が強いという証拠になる経済指標がさらに出なければ決断には踏み切れない……つまり今後のデータ次第ということです。