雇用統計は予想より悪かった 今年の利上げ回数は3回か?

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非農業部門雇用者数

46日(金)に3月の雇用統計が発表されました。まず非農業部門雇用者数ですが、市場予想18.5万人を大幅に下回る10.3万人にとどまりました。

過去1年間の平均は18.8万人です。

なお1月は-6.3万人、2月は+1.3万人修正されています。

つまり差し引き-5万人だったわけです。これを上述の3月の非農業部門雇用者数10.3万人という数字と合せて考えると(ちょっと弱かったな)という印象です。

製造業が強く建設は弱かった

セクター別では3月中、製造業が2.2万人の雇用を追加しました。耐久消費財のメーカーが積極的に雇用を拡大しました。過去1年では製造業は23.2万人の雇用を創出し、けん引役となっています。

ヘルスケア・セクターの雇用創出は2.2万人でした。これは過去1年の平均と同じペースです。

小売業は2月に4.7万人の増加を見た後、3月は-4千人でした。

建設業は2月に6.5万人の雇用を創造しましたが、3月は逆に-1.5万人でした。これは天候要因が関係していると思われます。

失業率

失業率は4.1%でした。

このところ失業率は4.1%に張り付いたままで殆ど動きがありません。これは失業率の数字自体が過去最低に近い水準に下がったことで、これ以上の改善が統計的にもう期待薄であることを反映しています。言い換えれば景気の実態を測る尺度として失業率を見てもしょうがないということです。むしろ重要になるのは賃金です。

平均時給

平均時給は2月の数字が1¢下方修正され3¢になりました。3月は8¢でした。

過去3年の第1四半期の平均時給の月次平均増加幅を計算すると:

2015年第1四半期 6

2016年第1四半期 6

2017年第1四半期 5

2018年第1四半期 6

となります。言い換えれば今年に入ってからの平均時給の伸びのペースは過去3年とちっとも変わっていないということです。これはFRBをして余りに急激な利上げを思いとどまらせる根拠を提供していると思います。

労働力率

3月の労働力率は62.9%でした。

ここまでをまとめると3月の雇用統計は予想より弱かったですが連邦準備制度理事会(FRB)が金利政策の変更を迫られるような内容ではなかったと言えるでしょう。

フェデラルファンズ・レートの予想

アメリカの政策金利であるフェデラルファンズ・レート(略してFFレート)には先物が存在します。そしてデリバティブ取引所CMEで取引されているFFレート先物の取引価格から利上げ確率を逆算する方法があります。それによれば市場参加者は次の利上げ発表を613日の連邦公開市場委員会(FOMC)だと予想しています。

下のチャートでFFレート2.0%になるという予想が79.1%になっている点に注目してください。

現行のFFレートは1.75%ですからこれに1回の利上げ分、すなわち0.25%を足して2.00%というわけです。

その次に利上げされるのは926日のFOMCだと予想する市場参加者が多いです。

2.25%のところが最も多くなっている点に注目してください。この45.2%という利上げ確率は今年最後のFOMCである1219日でも殆ど動きません。

つまり「9月の利上げで今年は打ち止めだ」と考える市場参加者が多いのです。
すでに今年は3月のFOMC1回利上げされているので、合計3回の利上げという線が濃厚だというわけです。

この3回の利上げというのは株式市場にとってはフレンドリーな利上げ回数だと思います。折から米国企業の決算は好調であり、安定した金利見通しと相まって、株式市場を巡る環境は決して悪くないと思います。トランプ政権の「貿易戦争」に対し市場関係者は悲観的ですが、ここは絶好の買い場だと思います。