製造業購買担当者指数はアメリカ「一人勝ち」の終焉を示唆

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

7月の製造業購買担当者指数が出揃った

7月の製造業購買担当者指数が出揃いました。結論から言えばこれまで「一人勝ち」の様相を呈していたアメリカに陰りが見え、逆にこのところ「中だるみ」気味だった欧州の景気は再び持ち直す気配を見せています。一方、中国の製造業購買担当者指数は米中貿易戦争の影響で悪化しています。

ISM製造業景況指数

7月のアメリカのISM製造業景況指数は58.1でした。これは6月の60.2から少し下がりました。

アンケートへの回答者は「需要は引き続き強い」と述べています。その一方で米中貿易戦争を懸念する声が強かったです。

細目では新規受注が弱まりました。

また生産も弱まりました。

更に受注残も弱まりました。

 

これら3つの項目の鈍化がISM製造業景況指数を押し下げました。

 

ユーロ圏製造業購買担当者指数

ユーロ圏製造業購買担当者指数は去年の12月にピークをつけて以来、ずっと減速していましたが、今回、初めてアップティックを見ました。

ユーロ高の傾向がここ数カ月収まったことで輸出業者はホッと一息ついています。その反面、貿易戦争は憂慮すべき問題となっています。国別ではオランダ、ドイツ、オーストリアの各国がユーロ圏をリードしています。

 

下はドイツの製造業購買担当者指数です。

 

中国製造業購買担当者指数

米中貿易戦争のエスカレートで中国のメーカーの購買担当者のセンチメントは悪化しています。

とりわけ新規輸出受注は過去2年間で最も落ち込みました。

 

まとめ

これまで圧倒的だったアメリカの景況指数はモメンタムを失いつつあります。その一方で欧州は底打ちしました。このことは一方的なドル高が起こりにくくなることを示唆していると思います。