連邦公開市場委員会は利上げが濃厚

連邦公開市場委員会

来る9月25・26日の両日、連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されます。今回は米国の政策金利であるフェデラルファンズ・レート(略してFFレート)が0.25%利上げされ、2.25%になると予想されます。

FFレートの先物はCMEに上場されており、その取引価格から市場関係者がどれだけの確率で利上げを織り込んでいるかを逆算することが出来ます。それによると94.4%の確率で利上げがあると市場関係者は読んでいます。

今年は既に3月と6月に利上げがありました。したがって今回は今年3回目の利上げということになります。

さらに市場関係者は12月19日の今年最後のFOMCでも0.25%の利上げがあると予想しています。(下のチャートの2.50%のところに注目)

つまり今年は合計4回の利上げがあり、年末の時点でのFFレートは2.5%が織り込まれているのです。

記者会見の聞きどころ

今回はFOMC声明文の発表後、ジェローム・パウエルFRB議長の記者会見が予定されています。

今回の聞きどころのひとつは、FRBがFFレートの最終的な到達点をどの水準だと考えているのか? ということだと思います。

前回記者会見があった6月のFOMCではパウエル議長は「FFレートで2.9%と言う水準が収まりの良いレベルだ」という意味の発言をしました。

すると現在の米国のインフレ率がざっくり言って2%なので、それよりも0.9%くらい「のりしろ」を持たせ、上の水準にFFレートを持って行くのが手堅いやり方という風にFRBが考えているというわけです。

なお過去をずっと遡るとFFレートは消費者物価指数よりも1.5%程度高目に設定されてきました。

リーマンショック以降、インフレ期待が剥落し、むしろデフレ・リスクが意識されることが多かったことから、この1.5%という「のりしろ」は不必要と考えられるようになりました。政策金利のプレミアムが0.9%に下がったのはそのためです。

さて、トランプ大統領はかねてから「FRBは余り利上げしないでほしい」ということを公言してきました。つまりパウエル議長はプレッシャーを受けているのです。

これが「収まりの良いFFレートの水準は2.9%」というFRBの考え方にどう影響するかを記者会見で見極めたいと思います。