アマゾンが最低賃金を15ドルに引き上げたことで市場参加者は賃金インフレに注目

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アマゾンが最低賃金を15ドルに引き上げ

102日、アマゾンが最低賃金を15ドルに引き上げると発表しました。 

今回のアマゾンの決断の背後には二つの要因が働いています。

まず米国の失業率が歴史的に低い水準まで下がっており、新しい労働者を見つける事が困難になっていることが指摘出来ます。

二つ目の理由は政治的な要因です。バーモント州選出民主党上院議員バーニー・サンダース氏は「アマゾンは低賃金で従業員を酷使している」と批判しました。これがメディアで大きく取り上げられ、アマゾンはイメージを落としました。

そこでジェフ・ベゾスCEOはクリスマス商戦期間を前に思い切った賃上げを発表することで「守り」から「攻め」へ転じようとしたわけです。

新しい最低賃金はアマゾンのアメリカの従業員、クリスマス商戦期間だけ雇われる臨時社員、そしてアマゾンに他社から出向してきているサブコントラクターに当てはめられます。

アマゾンがこのような発表をしたことでウォルマート、ターゲットなどの小売業者も対抗上賃上げするプレッシャーを受けると予想されます。

 

賃金インフレが焦点に

105日(金)に9月の雇用統計が発表されます。非農業部門雇用者数の現在のコンセンサスは18.5万人です。

しかし市場関係者が注目するのはむしろ平均時給だと思います。

コンセンサス予想は前月比+0.3%です。

 

「虚を突かれた」マーケット

先月の連邦公開市場委員会(FOMC)の記者会見でジェローム・パウエルFRB議長は「インフレ期待はしっかりとアンカーされている」とコメントしました。その言葉からもわかるようにアメリカが直ぐに手の付けられないインフレへと邁進するシナリオは考えにくいです。

それを断った上で最近のマーケットの動きはやや「虚を突かれた」印象を与えます。

103日の債券市場では米国10年債が大きく売られ利回りは3.16%に達しました。

このところの米国10年債利回りの動きは原油価格と連動しているように思われます。

原油価格が上昇している背景には11月からアメリカが再びイランに対する経済制裁を発動することで原油の需給関係が引き締まると予想されるからです。

 

ドル、株

米国の金利上昇期待が高まるとそれはドルにとって強気要因です。なぜなら国際的な金利の比較において米国の魅力が増すからです。

これと対照的にアメリカ株にとってドル高は企業収益の目減りを意味するのでネガティブな要因です。また市中金利と株式のバリュエーションはシーソーの関係にあり、市中金利が上昇するときは株式のバリュエーションは下がることが多いです。

まとめ

アマゾンが最低賃金を15ドルに引き上げると発表したのはサプライズでした。市場関係者は賃金上昇プレッシャーが蓄積していることを再認識しました。原油価格もスルスル上っているし、債券利回りもここへきて急上昇しています。このような上場では金利先高観からドル高になりやすいし、逆に株式は売られやすいです。