雇用統計の結果と連邦公開市場委員会の予想

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非農業部門雇用者数

先週金曜日、一連の雇用統計が発表されました。非農業部門雇用者数は予想19万人に対し25万人でした。

過去の数字の改訂は、差し引きすればゼロでした。

産業別ではヘルスケアが+3.6万人、製造業が+3.2万人、建設が+3万人、運輸が+2.5万人でした。

失業率

失業率は予想に一致する3.7%でした。

 

平均時給

平均時給は+5¢でした。

なお8月の数字が10¢に上方修正されました。

 全体として今回の雇用統計は強い数字であり、連邦準備制度理事会(FRB)は予定通り今年最後、1219日の連邦公開市場委員会(FOMC)で今年4回目の利上げを行うと思われます。

 

連邦公開市場委員会

その前に、今週、1178日の両日にFOMCが開催されます。今回のFOMCではジェローム・パウエル議長の記者会見は予定されていません。このため今回利上げが発表される可能性は限りなくゼロに近いと思います。

 さて、パウエル議長は2019年から全てのFOMCの後に記者会見を行いたいと発表しています。

 いまのところ仮のスケジュールが発表されています。

 201912930

201931920

2019430日・51

201961819

201973031

201991718

2019102930

2019121011

 

投資戦略

10月は米国の株式市場が荒れました。パウエル議長は926日のFOMCの後の記者会見で「資産価格が急落した際は利上げの手を止める」と説明していました。株式も資産価格のひとつですから、あのまま株式市場が突っ込んでいたら12月の利上げの線は消えていたかもしれません。

しかし先週、米国株式市場はリバウンドしたため、いまの段階では利上げをストップするには及ばないように思われます。

いずれにせよ1178日のFOMCで何か手がかりになるような材料が出る可能性は低いです。

むしろ先週発表された強い非農業部門雇用者数の数字を受けて米国10年債利回りが再び3.2%に乗ったことは注意を要すると思います。この水準は10月の米国株式市場の急落の直前と同じ水準です。

基本的に米国株式には強気のスタンスを維持しながらも、長期債の動きに注意を払ってゆく必要を感じます。