1月の雇用統計とISM製造業景況指数について

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

■ 非農業部門雇用者数

先週金曜日、雇用統計の発表がありました。非農業部門雇用者数は予想16.5万人に対し30.4万人でした。

それは一見すると大変良い数字に見えるのですが12月の数字が大幅に下方修正されたことでこれらの二つの数字は互いに打ち消し合いました。
なお例年2月初めの雇用統計の発表では過去の数字に大幅な改訂が入ります。今回の改訂は下のチャートの通りです。

 

■ 失業率

次に失業率ですが4.0%でした。

これは悪化しているように見えますが、その原因は突然景気が悪くなったからではありません。むしろ求職者が増えたことで失業率が上昇したのです。その証拠に労働力率は上昇しています。

 

■ 平均時給

さて、今回の雇用統計で明らかに弱かったのは平均時給の伸びです。

3¢にとどまりました(黄色)。つまり賃金インフレはそれほど感じられないということです。
賃金インフレが低いので連邦準備制度理事会(FRB)は辛抱強く現在の政策金利(2.5%)を維持し続けることが出来ると思われます。その意味でも今回の雇用統計はFRBが示した景気全般に対する捉え方のストーリーを逸脱していないと思います。

 

■ ISM景況感指数は反発

先週、ISM景況感指数も発表されています。こちらは市場予想54.2に対し56.6と強い数字でした。

新規受注ならびに生産指数が上昇しましたが、その他の細目は先月とほぼ変更ありませんでした。

 

■ 今後の注目点

12月から1月にかけて一カ月以上続いていた米国連邦政府機関一部閉鎖がトランプ大統領と議会との間での合意成立により解決したため、市場参加者の懸念は後退しました。

加えて米国と中国の間での貿易を巡る話し合いも順調に進んでいるということをトランプ政権はシグナルしています。

先の連邦公開市場委員会(FOMC)でパウエル議長はハト派的なスタンスを明快に打ち出したことで、ここへきてニュース・フローは大幅に好転した印象を与えます。

ただ215日には再び暫定予算の延長期限が到来しますし、3月には2019年度の連邦予算ならびに連邦債務上限引き上げに議会は取り組む必要があります。

また米中貿易交渉の期限も31日に到来します。

したがって今後も気を抜けない展開になることが予想されます。