
■ 非農業部門雇用者数
2月の非農業部門雇用者数は予想18万人を大幅に下回る2万人でした。
これは弱い数字です。しかし「米国経済はいよいよ暗転か!」とパニックする必要は無いでしょう。
■ 失業率
その理由の第一は失業率です。今回は3.8%と極めて良い数字でした。
■ 平均時給
第二の理由は平均時給です。+11¢と力強い伸びを示しました。
これらのデータ・ポイントと併せて総合的に状況を判断した場合、アメリカの景気に異変が出ていると結論付けることは出来ません。
■ 連邦準備制度理事会の次の一手
今回非農業部門雇用者数の数字が悪かったということは、連邦準備制度理事会(FRB)はうかつに利上げできないことを意味します。これは債券にとり支援的な材料であり、株式にもプラスだと思います。
賃金が上っているということは企業収益の面からはマージン・プレッシャーが強まっていることが予想されます。したがって今後の業績の見通しに関しては用心深いコメントをする企業が増えると思われます。
ところで欧州ではいよいよ3月29日にブレグジット(Brexit=英国のEU離脱)が迫っています。
アジアに目を転じると米中貿易交渉は大事な山場にさしかかっています。
このように気を抜けないイベントが控えているので、FRBから市場に対するメッセージは「様子見に徹します」というブレない姿勢が打ち出されてくるはずです。
それは市場参加者をなだめる働きをすると思います。