
■ 連邦公開市場委員会の結果
6月18・19日の2日間に渡り開催された連邦公開市場委員会(FOMC)が閉幕しました。
今回の声明文の発表では米国の政策金利であるフェデラルファンズ・レート(FFレート)には変更は加えられず、2.5%が維持されました。これは大方の市場参加者の予想通りです。
しかし声明文のトーンはハト派でした。また経済予想サマリーの内容もハト派でした。加えてパウエル議長の記者会見もハト派でした。つまり7月のFOMCで0.25%、ないしは0.50%の利下げが行われる公算は今日のFOMCで一層強まったと結論付けることができると思います。
■ 経済予想サマリー
経済予想サマリー(SEP)はFRBメンバーが今後の政策金利の行方、経済指標の動きを予想し、各自思い思いの数字をチャートに落とし込んでゆくものです。それが「点」のカタチで表現されることから俗にドットプロットと呼ばれることもあります。
今回のFFレートのドットプロットでは実に8人のメンバーが2019年中に利下げをするというシナリオを表明しました。これはFRBメンバーの意見がだいぶ利下げに傾斜していることを示唆しています。
しかし平均値そのものは動きませんでした。過去のFFレートのドットプロットを示したのが下のチャートです。
一方、GDPに関しては大きな動きはありませんでした。
PCEコア・インフレの予想は大きく下がりました。
■ 記者会見
記者会見ではパウエル議長が「ずっと様子を見続けることの意味は薄れてきている」とし、むしろ「予防は治療に勝る(An ounce of prevention is worth a pound of cure.)」と発言しました。これはパウエル議長が今発言し得る最大限に強い表現で、FRBはいつでも利下げできるということ表明したものだと解釈できます。