連邦準備制度理事会が0.25%の利下げ 量的引き締め政策は2か月繰上げ終了「ミッドサイクル・アジャストメントだ」

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■FOMCの結果

7月31日、連邦公開市場委員会(FOMC)が終了し、大方の予想通り米国の政策金利であるフェデラルファンズ・レート(略してFFレート)が0.25%引き下げられ、2.25%になりました。

加えて量的引き締め政策は予定より2か月早い8月で切り上げることが発表されました。これは「金利政策と整合性を取るため」と説明されています。

■記者会見

今回の記者会見で最も印象に残ったのはパウエル議長の「これはミッドサイクル・アジャストメントだ」という言葉です。

ミッドサイクルとは直訳すれば景気拡大局面の真ん中という意味です。アジャストメントは微調整を意味します。

そのような言い回しからは10年続いた米国経済の拡大局面が終わってしまったような印象は全然伝わってきません。むしろこれは「小休止」にほかならず、まだまだ現在の景気サイクルを長く引っ張ることは十分可能だという自信が感じられます。

つまりパウエル議長は今回の利下げを前回(2007年)や前々回(2000年)の時のような景気暗転に伴うスタンス変更とは捉えていないということです。

むしろ1995年にアラン・グリーンスパン議長が行った、0.25%の利下げを3回繰り返したときの手綱さばきと同じような効果を狙っていると考えて間違いないです。

事実、アメリカ経済は好調であり、不安な要素は殆どないとパウエル議長は答弁していました。ただ海外に目を転じた場合、米中貿易戦争や欧州での景況感の悪化など、いろんなダウンサイドリスクが頭をもたげています。そのような外部要因に配慮し、保険の意味で早目に利下げしたというわけです。

別の表現で「今回の利下げが長期に渡る利下げサイクルの開始だという風には捉えていない」という答弁もありました。それは言外に「あと2回程度の利下げで、早々に切り上げる」ということを示唆していたと思います。

■評価

アメリカでは、長い景気拡大局面の後で利下げが始まった時、過去4回のうち3回は株式市場が大きく下がりました。つまり「利下げは買い!」という法則が、これらのケースでは通用しなかったのです。

その唯一の例外は1995年でした。

今回の利下げは、その1995年の利下げ(=それは小刻みで、なおかつ早期に切り上げられました)のイメージに近いと思います。

そのときのイメージに合わせるカタチで予防的利下げを行うのであれば、今回発表された0.25%という小幅な利下げこそが正しい選択ですし、パウエル議長の言うように「今回の利下げが長期に渡る利下げサイクルの開始だという風には捉えていない」というメッセージこそがマーケットをなだめる最適の表現だと思います。