8月の雇用統計は予想にほぼ一致 賃金の上昇が鮮明に

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■非農業部門雇用者数

8月の非農業部門雇用者数は予想15.8万人に対し13.0万人でした。なお6月と7月の数字は合計で-2万人下方修正されました。

■失業率

失業率は予想に一致する3.7%でした。

■労働力率

労働力率は63.2%でした。これは今まで労働市場から除外されてきた人々が雇用市場に戻ってきていることを示唆しています。

■平均時給

平均時給は+11¢でした。なお、6月、7月の数字も上方修正されました。上のチャートの黄色が今年(2019年)になるわけですが、ここへきてハッキリと賃金上昇のモメンタムが強まっていることが確認できます。

■アメリカ経済全般について

今回の雇用統計は全般的に市場の予想に一致しました。雇用を見る限りアメリカ経済は安泰だと言えるでしょう。

ただ雇用はいろいろな経済指標の中では遅行指標であると言われています。従って雇用がしっかりしているから米国経済は今後暗転しないという風に決めつけることはできません。

今回の発表では賃金の上昇が鮮明になっていました。これは消費の観点からすれば好ましいことです。消費者のマインドは堅調であり、これからクリスマス商戦にかけて強気で臨むことが出来ます。

その反面、リスクが無いわけではありません。折から消費が堅調なのと、中国製品への関税がどんどん引き上げられる雲行きであることから、小売業者は前倒しでクリスマス商戦の在庫を積極的に取っています。それ自体は経営判断としては至極真っ当なのですが、もし何かの理由でクリスマス商戦が目論見通りに行かなかった場合、思わぬ過剰在庫を抱えて業者が苦労するシナリオも全く無いとは言い切れません。

現在のアメリカ経済をおさらいすると、製造業は先日のISM製造業景況指数で見たようにかなり悪化しています。これと対照的に消費は好調です。消費はアメリカ経済の7割を占めているので消費が堅調なうちはアメリカ経済は安泰です。でも何かの拍子にクリスマス商戦が全くの空振りに終わった場合、経営者は大きな在庫を抱えて慌てるというシナリオも予想されます。