連邦公開市場委員会では予想通り0.25%の利下げ 今後に関しては「打ち止め感」も

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■連邦公開市場委員会

9月18日、連邦公開市場委員会(FOMC)が終了し米国の政策金利であるフェデラルファンズ・レートが大方の予想通り0.25%引き下げられ2.00%になりました。

声明文の内容には、あまり大きな変化はありませんでした。

■意見対立

今回の決定には3名の反対意見が出ました。そのうち2名は利下げに反対、残りの1名は025%ではなく0.50%の利下げを主張したそうです。

ジェローム・パウエル議長は記者会見の中で「多様な意見が出るということは健全な姿だ」として、敢えて無理矢理メンバーの意見を揃えることをしませんでした。これはジャネット・イエレンやベン・バーナンキなどの歴代議長とは少し違うアプローチだと言えます。

敢えて「利下げの必要なし!」というメンバーの意見を記録に残すことで今後の利下げに関しても、ややブレーキがかかっている感じを演出しました。

■経済予想サマリー

実際、声明文とともに発表されたFRBメンバー各人の今後の政策金利や経済指標に対する予想、すなわち経済予想サマリー(SEP=俗称ドットプロット)を見ると、2019年末と2020年末のフェデラルファンズ・レートの中央値は1.90%であり、これは現在の2.00%とあまり変わらない水準です。

つまりドットプロットの面からも「打ち止め感」が出ているのです。

■95~98年を想起

パウエル議長の記者会見では、わざわざ95~98年のエピソードに言及し(あのときと同じかも)という考えを遠回しに示唆しました。

1995年から1998年にかけてはアラン・グリーンスパンFRB議長が「これは予防の利下げだ」という触れ込みで利下げを敢行しました。その後、経済は再加速し、予防が功を奏した格好になりました。

今回もあのときのように「これは予防の利下げだ」ということが説明されています。また前回のFOMCでは「今回の利下げはミッドサイクル・アジャストメントを行っているわけだ」というコメントがありました。すなわち景気の中盤(ミッドサイクル)での微調整(アジャストメント)というわけです。

それが微調整である以上、利下げ回数は2回から3回くらいが好ましいです。今回、早くも「打ち止め感」をほのめかし、様子見ムードを漂わせたということは、言外に「米国経済の足腰は強い」というメッセージが込められているように思います。

■レポについて

さて、今回のFOMCがワシントンDCで行われている間に、フェデラルファンズ・レートは一時5%を超える急騰を演じ、それを冷やすためにニューヨーク連銀がレポで介入するということが起きました。

その直接の原因は法人税の払い込み期限が月曜日であったこと、米国財務省証券の入札が相次ぎ、その受渡日の関係でキャッシュが払底したことなどによります。

この件に関しパウエル議長は「それが実体経済に与える影響はまったくない」と述べ、市場参加者の懸念を打ち消しました。

■株式市場への影響

このように今回のFOMCはミーティングの直前にドタバタしたのですが最終的には市場を混乱に陥れることなく「打ち止め感」をやんわりと醸し出すことに成功しました。

言い換えれば「95年~98年型」の軟着陸のシナリオに一歩近づいたという風に考えることも可能でしょう。

当時の株式市場は理想的な買い場だったことを思い出せば、こんにちの米国株にも積極的なスタンスで臨むべきであると感じます。