9月のISM製造業景況指数は8月に続き悪かった

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■ISM製造業景況指数

9月のISM製造業景況指数は予想50.1に対し47.8と8月に続き悪い数字でした。

細目は次のようになっています。この表から、とりわけ生産、雇用、在庫、受注残、新規輸出注文が不振だったことがわかります。

製造業の信頼感は引き続き減退しています。その背景には弱い需要が指摘できます。とりわけ輸出が振るいません。これは米中貿易戦争、欧州との貿易摩擦などを反映しています。下は輸出ならびに輸入のチャートです。業種別でとりわけ厳しかったのはアパレル、革製品、印刷、木材製品、電気機器、白物家電、テキスタイル、紙製品、金属製品、プラスチック、輸送機器、機械、家具、コンピュータ・エレクトロニクスです。

自動車産業の減速で下請け会社が苦心しています。また中国からの輸入品に対する関税の引き上げで材料コストの増加を懸念する声もあります。

■米国以外の製造業購買担当者指数

一方、米国以外の製造業購買担当者指数に目を転じると9月の中国財新製造業購買担当者指数は予想50.2に対し51.4とまずまずの数字でした。

ドイツの9月の製造業購買担当者指数は速報値41.4に対し41.7でした。

ユーロ圏の9月の製造業購買担当者指数は速報値45.6に対し45.7でした。

つまり比較感では今月も先月同様、米国の方がネガティブ・サプライズが大きかったのです。

■投資戦略

現在のアメリカ経済を見ると製造業は不調、消費は好調という構図になっています。大きさで言えば消費はGDPの7割を占め、たいへん大きいので、今日上に示したような製造業におけるスランプの与える影響は限定的です。

しかし製造業は景気の先行きを占う上で「先見性がある」と信じられています。従ってその製造業の指数が二月連続して大きく下に外れたことは投資家をやや不安にさせています。

製造業のセンチメントが回復するためには懸案となっている米中貿易戦争の面で何らかの具体的な進展が欲しいところです。

これに関しては10月第2週から米中の話し合いが再開される予定です。

トランプ政権はこれまで主に中国製品に対して関税を課すことで交渉のレバレッジを確保してきました。しかし今後は米国から中国への投資を規制することにも政策手段を拡大することを検討中です。

その一環としてアメリカのニューヨーク証券取引所やナスダックに上場されている中国株ADR(米国預託証券)を上場廃止にすることが検討されていると報道されています。これに関しては「そういうプランは無い」という報道と「まだ密かに検討され続けている」という風に報道が交錯しています。

アメリカの資本市場にとって中国株ADRの総時価総額や出来高は決して大きくないので、この規制が実施されてもマーケットへの直接の影響は限定的だと思います。

しかし米中関係という観点からは良くないと思います。