新型コロナ第2波で消費の腰折れ懸念が出ている

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

■第2四半期決算で経営者の見解は悲観的

いま2020年第2四半期決算発表シーズンが始まっています。これまでに明らかなことは米国の企業の経営者は一本調子で景気が回復するとは考えてないということです。

ロックダウン解除後の経済活動の回復はあくまでも一時的なものであり、今後再び景気は失速するという見方が多数派です。

■収まらない新型コロナ

経営者がそう考える第一の理由は新型コロナが米国の南部を中心に猛威を振るっていることによります。

フロリダ、テキサス、アリゾナ、カリフォルニアといった米国経済にとって極めて大事な州で陽性者数が増えています。

6月初めには全米で毎日2万人程度だった陽性者数は、今は6万人を超えています。このため州によっては再び市民やビジネスの活動に制約を加えるところも出ています。

■失業保険上乗せ金の終了

第二の理由は失業保険上乗せ金の終了です。

米国民が失業保険を申請したら、失業保険を受け取ることが出来ます。この受取額は失業前の所得水準を基準に決めています。

このおカネに加え、政府が毎週600ドル、一か月で2400ドルの上乗せ金をこれまで新型コロナ対策として払ってきました。この上乗せ金が7月25日で終了します。

■追加景気刺激策が上院で頓挫

第三の理由として2.2兆ドルの景気刺激策の一環として国民全員に一律1200ドルの支援金が払われたのですが、その第2弾が下院で可決されたにもかかわらず上院の反対で宙ぶらりんになっていることが指摘できます。

■銀行は融資の焦げ付きに備えている

これらのことから消費者の収入は今後減少することが予想され、それに従って消費の落ち込みが懸念されます。さらに家賃、自動車ローン、クレカの支払いの遅延が予想されます。

実際、メガバンク各行は貸倒引当金を大幅に積み増し、そのようなショックに備えています。

 

もうひとつメガバンク各行の第2四半期決算を見ていて気になるのは預金がどんどん増えているのに新規の貸付は絞り込まれる方向にある点です。

銀行の立場からすれば焦げ付くリスクを冒してまで貸付けたくないことは良くわかりますが、FRBが一番心配する「貸し渋り」の状況が起きかねない雲行きとなっています。

メガバンクの貸付ポートフォリオで一番傷んでいるのは石油天然ガス産業向け融資です。加えてショッピングモールの大家さん、小売業、レストランなどに対する貸付もハイリスクです。

消費者に対する貸付ではクレジットカード・ローンが一番問題になっています。

■FRBと財務省の間での不協和音

米国連邦準備制度理事会(FRB)は商店街やスモール・ビジネスに対する支援を打ち出しました。

しかし貸倒れが発生したときのリスクの分担に関し財務省との意見の調整が手間取りました。

その結果、このプログラムが始動したのはつい最近です。

貴重な時間が浪費されたことで救済を受けられず倒産するスモール・ビジネスが多く見られました。

■投資戦略

このように一本調子での景気の回復はどうやら難しい状況になっています。一度好転するかと見せかけて景気が再び暗転することほど消費者のマインドを挫く展開はありません。

したがって我々投資家としてはシンプルな景気回復のシナリオを想定せず、もっと愚図愚図した、煮え切らない展開になることも覚悟しておいたほうがいいです。

現在、米国株式市場は好調です。だから当面は素直に強気相場についてゆくのが得策だと思います。しかし9月頃には相場が暗転する局面も想定しておいたほうがいいです。