
■非農業部門雇用者数
9月の非農業部門雇用者数は予想85万人を下回る66.1万人でした。
(出典:労働省労働統計局)
レジャー・ホテル部門では9月中31.8万人の雇用が創出されました。そのうちレストラン・バーが20万人の雇用を創出しました。
小売業では9月中、14.2万人の雇用が生まれました。そのうちブティックが4万人、雑貨屋が2万人、自動車用品店が1.6万人を新たに雇いました。
ヘルスケアならびにソーシャル・アシスタンス産業では10.8万人の雇用が創出されました。
製造業では6.6万人の雇用が創出されました。
■失業率
9月の失業率は予想8.2%に対し7.9%でした。これは予想より良かったです。
(出典:労働省労働統計局)
■平均時給
9月の平均時給は+0.02ドルでした。
(出典:労働省労働統計局)
■人種別失業率
人種別失業率では引き続き黒人ならびにヒスパニックの失業率が高止まりしています。
(出典:労働省労働統計局)
■学歴別失業率
学歴別失業率では引き続き中卒・高卒の失業率が高止まりしています。
(出典:労働省労働統計局)
■総括
9月の雇用統計は失業率こそ事前のコンセンサス予想を上回ったものの非農業部門雇用者数は予想をかなり下回りました。レストランやブティックなどの雇用が戻っていることからもわかるとおり、新型コロナの自粛後、商業施設の再開が雇用にポジティブな影響を及ぼしていることが読み取れます。
その一方で下院が先日可決した2.2兆ドルの追加景気支援政策の上院での採決は2週間ほど見合わせられるという情報が伝わってきていますし、トランプ大統領が新型コロナウイルスに感染しウォルターリード病院に入院したことで米国民は外出する気が失せています。
このようなことから景気はもう一度暗転するリスクが高まっています。
大統領がいつ退院できるのか? 今回の入院が大統領選挙に及ぼす影響は? 治療薬・ワクチンの開発状況は? など、たくさんの不透明要因があるので相場の先行きを占うことは極めて困難な状況になっています。
10月は1929年と1987年に大暴落があった忌まわしい月です。その反面、相場が大底をつけ、反転したケースもたくさんあります。つまり急にセンチメントが変わりやすい月なのです。
そのことを念頭に置きながら冷静に相場を観察してゆきたいと思います。