新型コロナで今年のクリスマス商戦期間はどうなる?

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■小売売上は堅調

9月の小売売上高は自動車、衣料など幅広い分野が堅調で前月比+1.9%でした。

(出典:商務省)

これで小売売上高は5か月連続で前月比拡大したことになり3・4月の落ち込みが一時的な減少だったことを示唆しています。

 

■前途の不安を感じ消費者は倹約に走った

いまアメリカは景気が悪いにもかかわらず、なぜ小売売上高は堅調なのでしょう?

その理由は新型コロナのショックが襲った時、アメリカ人はとりあえず消費を思いきり絞り込み、倹約に走ったからです。

普通、アメリカの貯蓄率は6.5%~7.5%で推移しています。

しかし新型コロナが蔓延し始めると貯蓄率が急上昇し、4月には33.6%のピークをつけました。現在は14.1%に落ちてきていますが、それでも平時よりは高い水準です。

下は個人の預貯金です。新型コロナショック前の1兆ドルから一気に4月は6.4兆ドルまで増えました。現在は2.4兆ドルですが、それでも平時の約2倍以上の水準です。

(出典:セントルイスFRB)

 

■2.2兆ドルの景気支援策も消費者の懐が潤った一因

もうひとつ、不況でも個人が貯金を減らさなかった理由があります。それは2.2兆ドルの景気刺激政策、いわゆるCARES ACTが可決された際、失業者に対して通常の失業保険に加えて毎週600ドルという手厚い補助が出ました。これと1200ドルの一時金を合せると、普通に働いているときよりも失業した後のほうが逆に金回りが良くなったという国民が多く出たのです。それを示したのが下のチャートです。

(出典:シカゴ大学)

これを見ると5月から7月にかけて職がある人よりむしろ失業者のほうが銀行の小切手口座(公共料金など毎月の細々した支払いなどに使われます)の残高の増え方が高かったことがわかります。

いま、この補助が切れて失業者はだんだん貯金を食いつぶすことを与儀なくされているわけですが、それでも現在の水準は年初より高いのです。

 

■まとめ

米国経済は新型コロナで混乱しています。しかし消費者の銀行口座のキャッシュはそれほど減っていません。むしろ経済の不安を目の当たりにして4月頃に節約に努めた関係でクリスマスに少し贅沢するくらいの余裕はあるのです。

今年のクリスマス商戦が、それなりに活況となると予想されるのは、このような事情によります。