新型コロナワクチン承認で次の連邦公開市場委員会はどうなる?

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■新型コロナワクチン承認

12月11日(金)夜、米国食品医薬品局(FDA)がファイザーの新型コロナワクチンを緊急使用承認(EUA)すると発表しました。

言うまでも無く新型コロナワクチンが承認されたということは朗報であり、これでようやく新型コロナ禍終息に向け具体的に手を打つことができることになりました。その意味で今回のニュースはひとつの区切りだと思います。

■今週の長期金利の動きに注目

そこで皆さんにお願いしたいのですが今週の米国10年債利回りの動きにとりわけ注意を払ってください。


(出典:セントルイスFRB)

投資家が(今後景気が強くなるぞ!)と感じれば長期債は売られ、長期債利回りは逆に上昇します。

債券市場は機関投資家主導のマーケットであり、債券の市場参加者は株式の投資家より景気の動向を注意深く追っかけており、彼らのほうが正しいことが多いです。

すると今週米国10年債利回りが急騰するようなら、洗練された債券市場の投資家たちは景気が強くなると予想していることになるのです。

逆に10年債利回りがそれほど上昇しないのであれば、景気はいまのまま低空飛行を続けると投資家が予想していることを示唆します。

私は今週の10年債利回りの上昇は小幅にとどまると予想します。

■連邦公開市場委員会

12月15・16日の両日は今年最後の連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されます。今回は米国の政策金利であるフェデラルファンズ・レートは現行の0~0.25%のまま据え置かれると思います。


(出典:セントルイスFRB)

さらに債券買い入れプログラムは6月以降堅持している米国財務省証券毎月800億ドル、住宅抵当証券毎月400億ドルの買い入れペースにまったく変更を加えないと思います。


(出典:セントルイスFRB)

今後債券買い入れプログラムにどのような変更を加えるか? に関しては、そのガイダンスを経済指標に直接結び付ける方法、いつまで現在の買い入れペースを続けるかを明示する方法などが議論されています。

連邦準備制度理事会(FRB)は9月以降、新しい政策金利決定フレームワーク(枠組み)を打ち出したばかりです。それによると「少々インフレ率が2%をオーバーシュートしても慌てず、一定期間の平均を取ってそれが2%になればOK」という、リラックスした考え方が打ち出されました。つまり突拍子もない利上げは無いということです。

この新しい枠組みが導入されて未だ日が浅いため、新型コロナワクチンが承認されたからといって今すぐにFRBの市場に対するメッセージを修正しているようでは「朝令暮改」の印象を醸し出してしまいます。

その意味でも今回は大胆な新機軸が打ち出される可能性は低いです。

■景況感の変化に注目

よく「景気は気から」と言われますが新型コロナワクチンがようやく承認されたことで市民のキモチは明るくなる可能性があります。

その反面、(一体、自分にはいつワクチンが回って来るの?)というイライラが出るリスクもあります。現在の生産計画では一般市民にワクチンが回ってくるのは早くても5月か6月くらいになると言われています。半年というのは短いようでとても長い待ち時間です。その間に消費者のマインドが再び挫けてしまうリスクもあると思います。

■金利と株式の関係

市中金利と株式バリュエーションはシーソーの関係にあり、一方が上昇すると他方が下がります。

いま10年債利回りが余り上昇しないのであれば、株式に関してはこれまで通り強気で良いと思います。

可能性としては低いと思いますが、10年債利回りがズンズンと上昇する局面では株式は売られると思います。