12月の雇用統計について

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■非農業部門雇用者数

1月8日(金)に発表された非農業部門雇用者数は予想7.1万人に対し-14.0万人でした。

(出典:労働統計局)

2020年5月に非農業部門雇用者数がプラスに転じて以来、半年ぶりに再びマイナスに逆戻りしました。

その主な理由は新型コロナ第3波でレストランの多くが営業時間の短縮や閉店に追い込まれたからです。人種別失業率でヒスパニック(黄色)の失業が増えているのは、ヒスパニックはレストランやレジャー産業で雇用されるケースが多いことに起因しています。

(出典:労働統計局)

レジャー&ホスピタリティ部門での雇用は-49.8万人でした。逆に小売業は+12.1万人でした。これはクリスマス商戦期間の人員確保が影響していると思います。

製造業は+3.8万人と確りしていました。

言い換えれば今回の未達は新型コロナで外食・レジャー産業が雇用を再び絞り込んだことが主な原因なのです。

■失業率

12月の失業率は予想6.8%に対し6.7%でした。

(出典:労働統計局)

■労働力率

12月の労働力率は11月と同じ61.5%でした。

(出典:労働統計局)

これは求職を諦める労働者の数は先月と変化無かったことを示唆しています。

労働力率は一度低下してしまうと戻るのが遅いことで知られています。その意味では今回、その数字が先月と同水準に踏みとどまったことは評価できます。

■平均時給

12月の平均時給は23¢の上昇でした。これはかなり大幅な上昇です。

(出典:労働統計局)

平均時給が急上昇したのは賃金の安いウエイトレスなどのレストラン従業員が失業したことが原因です。したがってこれは「良い賃金上昇」ではありません。

■まとめ

今回の雇用統計は(予想通り、来るべきものが来た)と思わせる、落胆すべき内容でした。そして数字が悪くなった原因はひとえに新型コロナ第3波にあると思います。

去年の暮に新型コロナワクチンが相次いで承認されたことで長いトンネルの先に光が見えていることは事実です。

しかしワクチンの接種のペースは遅々としておりこのままでは当初期待されたように秋ごろに集団免疫が成立することは覚束なくなっています。

アメリカ国民は在宅勤務疲れになっており、消費者のマインドは挫けるリスクがあります。

その一方で去年の暮れに議会が合意に達した追加景気支援策で裕福層を除く国民ひとりあたり600ドルの小切手がそろそろ届きはじめています。これで一息つける市民も多い筈です。

ここ数日の長期金利の上昇に見られる如く、リスク・リワードを勘案した場合、だんだん株式を巡るリスク要因の方がアップサイドより大きくなっている気がします。

1月20日の新大統領就任式くらいをメドに、ポートフォリオのリスクを落としてゆくことをお勧めします。