連邦公開市場委員会の結果について

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■連邦公開市場委員会

1月27日(水)、連邦公開市場委員会(FOMC)が閉会しました。

米国の政策金利であるフェデラルファンズ・レートは現行の0~0.25%が維持されました。

債券買い入れプログラムは現行の毎月財務省証券800億ドル、住宅抵当証券400億ドルのペースでの購入が維持されました。

FOMC声明文の言い回しは殆ど変更されませんでした。

つまり今回のFOMCでは新しいことは何も出ませんでした。

■記者会見

記者会見では株トレ・アプリを通じて小型株を吊り上げていることに関してまず質問が飛びました。

ジェローム・パウエル議長はこの質問には答えませんでした。

米国政府はリーマンショックの後、金融システムの安定化にむけて一連の監視システムを設け、金融市場の状態を広範に監視しています。

過度の投機の結果として信用不安が生じ、それが実体経済に悪影響を及ぼすリスクについては主にストレステストなどを通じて事前に金融機関などの体力を強固にしておくことで対処すべきであって、マーケットの過熱の度に政策金利を調整することで対応する考えはないことが説明されました。

■米国の景気はまだまだ弱い

連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策に変更を加える事に対して消極的な理由は、目先景気は新型コロナの蔓延でどちらかといえば失速気味であり、雇用に関しても回復がストップしてしまったことによります。

新型コロナ前に比べて、未だ900万人もの人が失業しているわけで、まず彼らが復職することを実現するのが先決というわけです。

また失業者の内容を見ると黒人、ヒスパニック、低学歴の人たちの失業率が高く、これが一層格差拡大を招いていることが指摘されました。

(出典:労働省労働統計局)

 

■物価ターゲット

米国の物価はターゲットの2%を下回っています。これは米国だけに見られる現象ではなく欧州や日本にも共通する現象です。

物価が低い理由は高齢化社会、ITによりホワイトカラーの仕事がプレッシャーを受けていること、グローバライゼーションにより新興国の安い労働力と競争しないといけないことなどが関係しているとパウエル議長は説明しました。

それらの要因はいずれも長期的なトレンドであり、すぐに変わる性格のものではありません。

いま新型コロナ・ワクチンがどんどん生産され、1日100万人のペースで注射が進んでいるわけですが、それにより今年の後半には集団免疫が成立するかもしれないし、そうなれば市民が街に出て景気が急に良くなる可能性があります。その場合、インフレ圧力も当然出てくるわけです。

しかしその場合でもFRBはそのようなワクチン絡みの景気加速並びにインフレ加速は一過性のものになるだろうと予想しています。

だからこそ仮に物価が2%を超えてきた場合でも辛抱強く見守り続け、性急に利上げするなどの行為は慎みたいと説明しました。

インフレ期待は長い年月をかけて醸成されるものであり、急激には変化しないというわけです。