
■最近の経済指標
最近発表された経済指標はいずれも米国の景気がしっかりしていることを示唆しています。
まず2月17日に発表された小売売上高は予想前月比+0.8%に対し+5.3%と強い数字でした。

自動車を除く数字は予想前月比+0.7%に対し+5.9%でした。
なお今回小売売上高が強かった一因は景気刺激策の一環として国民ひとりひとりに600ドルが配られ、それが消費に回ったという特殊要因が影響していると思われます。
次に1月の鉱工業生産は予想前月比+0.6%に対し+0.9%でした。

さらに1月の設備稼働率は予想74.8%に対し75.6%でした。

■1月の連邦公開市場委員会の議事録
一方、2月17日に公開された1月26日・27日の両日に渡って実施された連邦公開市場委員会の議事録を見ると連邦準備制度理事会は現在の緩和的な金利政策を変更する意図が全然ないことが確認されました。
現在の政策とはフェデラルファンズ・レートで0~0.25%、量的緩和政策による毎月1200億ドルの債券購入を指します。
議事録によると「(連邦公開市場委員会)参加者は経済の現況が、委員会が目指している長期の目標に全然及ばない水準にとどまっており、それらが達成されるまでは緩和的スタンスが維持されるべきであると認めた」そうです。
市場参加者は(債券買い入れプログラムはいずれテーパーリングされなければいけないし、そろそろその議論がFOMCで交わされるのでは?)と予期していました。しかしこの議事録を見るとテーパーリングに関する討議が一切無かったことが明らかになりました。
■長期金利
以上が今週発表された主な経済関係のニュースになりますが10年債利回りはいよいよ1.3%の水準まで上って来ました。

つまりFRBは「動かない!」ということを強くシグナルする一方で市場参加者の方は(足下の景気の強さがいずれインフレを誘発し、FRBに現行のスタンスの再考を強いる)と考えているのです。
■株式への影響
株式市場は指数的には余り下げていません。しかし成長株や小型の投機色の強い株の中には急落する銘柄も散見され始めています。それらのグループはとりわけ金利上昇に弱いので当面は避けるべきだと思います。