4月雇用統計は「あっ!」というネガティブ・サプライズ

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■4月の雇用統計はネガティブ・サプライズだった

4月の雇用統計は全体として「あっ!」と驚く悪い数字でした。雇用統計は時として予想と大きく外れることがあるので今回の大きな未達の数字は割り引いて考えるべきだと思います。

それを断った上で経済再開に対する強気すぎる意見は出鼻を挫かれた格好になったと言えるでしょう。そのため性急なテーパーリング論議や利上げの催促は今回の雇用統計を境に大幅に後退するでしょう。連邦準備制度理事会(FRB)はたっぷり時間をかけて新金利政策決定枠組みを実践できる環境が整いました。またバイデン大統領が押し進めたいと考えているインフラストラクチャへの投資を通じた景気支援も実現する可能性が少し増えたと考えるべきです。

■非農業部門雇用者数

 

4月の非農業部門雇用者数は予想97.8万人の増加に対し26.6万人の増加にとどまりました。

(出典:労働省)

 

業種別ではレジャー・ホスピタリティー部門の雇用が+33.1万人と急増しました。うちレストランやバーは+18.7万人、遊園地やカジノは+7.3万人、ホテルは+5.4万人でした。

その反面、製造業は-1.8万人、小売業は-1.5万人、ヘスルケアは-4千人でした。

■失業率

4月の失業率は予想5.8%に対し6.1%でした。

 

(出典:労働省)

 

■平均時給

平均時給は21¢の増加でした。

 

(出典:労働省)

■労働力率

4月の労働力率は61.7%でした。

 

(出典:労働省)

■人種別失業率

黒人の失業率は3月の9.6%から4月は9.7%へと悪化しました。

 

(出典:労働省)

■学歴別失業率

学歴別失業率では中卒、高卒の失業率の悪化が目につきました。

 

(出典:労働省)

 

FRBは雇用機会の面での格差是正に勤めていますが4月のデータでは事態は悪化していました。それはFRBが現在の緩和的な政策を今後も堅持することを示唆しています。

■まとめ

4月の雇用統計は予想外に悪かったです。そのことはFRBが今後も現在の緩和的な金融政策をとうぶん堅持することを示唆しており、バイデン大統領のインフラストラクチャ投資を通じた景気支援法案も支持されやすいと思います。それらのことから今回の悪い数字は株式市場にとっては逆にプラスであると解釈できるでしょう。