4月の連邦公開市場委員会議事録の中に「テーパーリングの検討を、そろそろ始めた方が良い」という記述が……

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■FOMC議事録

4月27から28日にかけて実施された連邦公開市場委員会の議事録が今日(5月19日)公開されました。その中に見過ごせない記述がありました。それは:

FOMC参加者のうち幾つかのメンバーがもし米国経済が委員会の目標に向けて急速な進歩を示した場合、ある時点で資産買い入れプログラムのペースを減速させることに関する討議を始めた方がいいと提案した。
(出典:FOMC議事録10頁)

という箇所です。

資産買い入れプログラムとは現在連邦準備制度理事会(FRB)が行っている毎月米国財務省証券を800億ドル、住宅抵当証券を400億ドル買い入れていることを指します。

 

(出典:セントルイスFRB)

そしてこの合計毎月1200億ドルの買い入れのペースを減速させることを「テーパーリング」と言います。

 

■前回のテーパーリングで何が起きた?

下のチャートは前回テーパーリングがほのめかされた2013年のS&P500指数です。

(出典:ヤフー・ファイナンス)

 

テーパーリングがほのめかされたのは5月22日で、その時、「テーパータントラム」と呼ばれる、債券市場ならびに株式市場の混乱がおこりました。

(出典:ヤフー・ファイナンス)

 

あの時はベン・バーナンキ議長が議会証言の中でテーパーリングの可能性についてちょっと言及しただけで市場参加者は浮足立ったのです。その様子を見てFRBはテーパーリングへの着手を先に延ばし、結局、まるまる2年後にようやく実際のテーパーリングに着手できました。

テーパーリングは、たとえて言うならば自転車に乗る稽古をしている子供が、まず補助輪で練習し、だいぶ走れるようになったのでいよいよ補助輪を外すのに似ています。子供にとっては、それはまるで「世界の終り」みたいな恐ろしい事かも知れません。でも大人から見れば補助輪など無いほうがむしろスイスイ走れます。

このように債券買い入れプログラムという「臨時措置」は、もはや非常事態ではないので何時か手仕舞いしなければならないし、今後は経済が好調なのだから超緩和政策に依存する金融相場ではなく、素直に企業業績の伸長を買ってゆく業績相場へと移行すべきなのです。

■まとめ

今回、連邦公開市場委員会議事録でテーパーリングについての議論を始めるべきだという意見を持つメンバーがいることが明らかにされたことで市場参加者は(いよいよ来るべきものが来た)と身を固くしています。

ただ前回のテーパータントラムも一歩引いて巨視的に見れば市場の混乱は限定的でした。従って余り神経質になる必要は無いと思います。それを断った上で中央銀行が考えていることと市場参加者が予期していることの間で齟齬が生じやすい局面にさしかかっているので、今後のFRBから発せられるメッセージを注意深く聞き届けることが必要になると思います。