雇用統計は米国経済の好調が続いていることを示唆 8月のジャクソンホールで債券買い入れプログラムの縮小が発表されるシナリオに変更なし

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■非農業部門雇用者数

7月2日に発表された6月の非農業部門雇用者数は事前予想の70万人を上回る85万人でした。

(出典:労働統計局)

 

4月、5月の非農業部門雇用者数が2回連続して予想を下回ったことで(おや? 米国経済に変調が見られるのかな?)という懸念が出ましたが、今回の数字はそれを吹き飛ばす良い内容でした。

そのことは連邦準備制度理事会(FRB)が6月の連邦公開市場委員会(FOMC)で打ち出した「今後は失業率ではなくインフレ抑制にフォーカスする」という新方針を堅持して良いことを示唆していると思います。

大方の予想では8月下旬にワイオミング州ジャクソンホールで開催される経済シンポジウムでFRBは経済政策の大転換、すなわちこれまでの緩和から引締めに転じることがシグナルされることになっています。そのシナリオで良いと思います。

6月の非農業部門雇用者数に話を戻すとレジャー&ホスピタリティー産業での雇用は34.3万人でした。そのうち19.4万人がレストランでの雇用でした。7.5万人がホテル、7.4万人がエンターテイメント、テーマパークなどでした。

今回の新規雇用を計算に含めても、レジャー&ホスピタリティー産業での雇用は2020年2月のピークから計算すると未だ-12.9%の水準にとどまっています。あと220万人の雇用が戻ってこないと2020年2月の水準には戻りません。その意味では今回のような強い数字が少なくともあと半年は続く必要があるわけです。

一方、学校の教員は州政府、連邦政府、私立教育機関を合計すると26.9万人の増加でした。これは8月下旬から学校が再開するのに向けて去年新型コロナでストップしていた教員の採用がいよいよ動き出した事が関係しています。その意味で教育分野におけるこのような強い数字は長く続かないと思います。

■失業率

失業率は5.9%でした。

(出典:労働統計局)

 

失業者数は950万人で、これは先月とほぼ同じでした。

■平均時給

平均時給は10¢の上昇でした。

(出典:労働統計局)

 

■まとめ

今回の雇用統計は4・5月の足踏みの後、雇用が再び動き出していることを感じさせる内容でした。レストランやホテルなど経済再開に関係する産業における雇用の伸びが著しかったことも予想通りでした。そのことは全体としてFRBは6月に打ち出した「そろそろテーパリングを検討する」というスタンスを堅持して良いことを示唆しています。