3月の雇用統計は0.50%の利上げを正当化する内容だった

■非農業部門雇用者数

3月の非農業部門雇用者数は予想49万人に対し43.1万人でした。

(出典:労働統計局)

おもな産業別ではレジャー&ホスピタリティーが+11.2万人、プロフェッショナル&ビジネス・サービスが+10.2万人、小売りが+4.9万人、製造業が+3.8万人といった具合でした。運輸業が-1000人だったことが意外でした。金曜日の立会ではこれを受けて運輸株が値を消しました。

■失業率

3月の失業率は予想3.7%に対し3.6%でした。

(出典:労働統計局)


失業率は、もう殆ど新型コロナ前の水準まで戻ったことになります。

■平均時給

3月の平均時給は+13¢でした。

(出典:労働統計局)

2月の平均時給は+1¢から+4¢へ上方修正されています。つまり賃金上昇プレッシャーは和らいでないわけです。これは利上げが待ったなしであることを確認する数字でした。

■労働力率

労働力率は62.4%でした。

(出典:労働統計局)

労働力率は長く低迷していましたが、ここへきてスルスル上昇しはじめています。これもタイトな労働市場の様子を表していると思います。

■連邦準備制度理事会の次の一手

連邦準備制度理事会(FRB)は次の5月4日の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%の利上げをすると予想されています。

0.50%刻みの利上げは前例が無いわけではありませんが非常に珍しいです。普通、利上げサイクルの中盤もしくは最終局面で0.50%の利上げが繰り出されるのであって今回のように利上げ2回目で早くも0.50%刻みにピッチが上がるのは異例です。

このような大胆な利上げがあることは既に市場に対して十分に周知徹底されていると考えられる反面、やっぱりその直前は市場関係者がビビる可能性もあると思います。FOMCの直前には少しポジションを軽くした方が良い気がします。