雇用統計は米国経済の底堅さを印象付けた

■非農業部門雇用者数

8月5日(金)に発表された7月の非農業部門雇用者数は予想25万人に対し結果52.8万人と強い数字でした。

(出典:労働統計局)

過去4カ月は平均して+38.8万人だったので、今回はそれよりもかなり強い数字だと言えます。雇用の増加は幅広いセクターに広がっておりレジャー、プロフェッショナル&ビジネスサービス、ヘルスケアなどが目立ちました。

2020年4月のボトムから起算して非農業部門雇用者数は2200万人増加し、新型コロナ前の水準を取り戻しました。

■失業率

失業率は予想3.6%に対し結果3.5%でした。

(出典:労働統計局)


これは過去50年間で最も少ない数字でした。

■平均時給

平均時給は15¢の上昇でした。

(出典:労働統計局)

これは前年同月比では+5.2%であり、消費者物価指数の伸び(+9.1%)より低いですが連邦準備制度理事会(FRB)がターゲットにしているインフレ率2%よりは高く、FRBは金融引締めの手を休めることは出来ないことを示唆しています。

■投資戦略

今回の雇用統計は米国経済の底堅さを印象付けました。市場参加者が織り込んでいるような景気後退→金融緩和のシナリオが、そう簡単には実現しないことを示唆する内容だったと思います。

FRBは今後も引締めを継続すると思われますし、一部のトレーダーたちが主張している、「来年前半にもFRBは緩和に転じる」というシナリオは再考を迫られていると思います。

そのことは目先金利上昇が起きることを示唆しており、株式バリュエーションは圧迫を受けるでしょう。