
■消費者物価指数
2月14日(火)に発表された1月の消費者物価指数は前年同月比予想6.2%に対し結果6.4%と落胆すべき数字でした。

なおCPIコア指数は予想5.5%に対し結果5.6%でした。
今回の消費者物価指数は7カ月連続で前月に比べて上昇率の鈍化を示しました。但しインフレ鎮静化のペースにはグッとブレーキがかかり、このままだと物価が高止まりするリスクがあることを感じさせました。
項目別では住居費が前年同月比+7.9%と1982年以来最も速いペースで上昇したことが目を惹きました。普通、家賃はインフレ局面の後半で上昇することが知られており、その意味ではサプライズではありません。
ガソリン価格は2.4%の上昇でした。生鮮食料品は11.3%の上昇でした。レストランでの外食は8.2%の上昇でした。
■ローガン総裁のスピーチ
ダラス連銀のローリー・ローガン総裁はプレイリーA&M大学での討論会に登壇し「住居費を除くコア・サービス(ヘルスケア、交通費、エンターテインメントなど)の物価はしつこく高止まりしており、それはサプライチェーンの問題とは無縁だ。ここが下がってこないと連邦準備制度理事会(FRB)の物価目標である2%は達成しにくい」として引き続き政策金利を高く維持することを主張しました。
■トレーダーたちはあと3回の利上げを織り込んだ
今日のこれらのニュースを受けてCMEで取引されているフェデラルファンズ先物の価格から逆算される利上げ確率は次の3月22日の連邦公開市場委員会(FOMC)が0.25%、5月3日のFOMCが0.25%、6月14日が0.25%の利上げとなることを織り込んでいます。
つまりあと3回の利上げで政策金利は5.25~5.50%へ到達するとトレーダーたちは考えているわけです。
■まとめ
今回の消費者物価指数はかろうじてインフレ鎮静化のトレンドが維持されたことを確認するカタチとなりましたが改善のペースは俄かに鈍化しました。そのことは政策金利が「より高く、より長い期間高止まりする」ことを意味し、株式バリュエーションにとっては苦しい展開だと言えるでしょう。
趨勢としてインフレ鎮静化の方向は変わりありませんが目先は株式市場上昇のスピードは鈍化せざるを得ないと思います。