ADP雇用統計が強かったことで金曜日の非農業部門雇用者数にも楽観論が台頭 FOMC議事録は、ややタカ派

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ADP雇用統計

45日(水)に発表された3月のADP雇用統計は、予想18.5万人に対し26.3万人でした。これは前回(29.8万人)と同じような大きなアップサイド・サプライズでした。

前回はADP雇用統計に続く非農業部門雇用者数も強い数字だったことから、今回も同じパターンが繰り返される可能性が強いです。

なお、これとは別に43日(月)に発表された3月のISM製造業景況指数の「雇用指数」58.9と、とりわけ強かったことを指摘しておきます。

非農業部門雇用者数の予想

今週金曜日に発表される非農業部門雇用者数のコンセンサスは、17.5万人です。(なおこれは上述のADP雇用統計の結果を見る前の数字です。)

ちなみに2月は23.5万人でした。

今回、再び20万人を超える数字が出たら、614日の連邦公開市場委員会(FOMC)で再び0.25%の利上げが発表される可能性が高いと思います。

 

連邦公開市場委員会議事録

さて、315日に実施されたFOMCの議事録が45日に公開されました。FOMC議事録は過去のイベントの追認でしか無いため、普通、それを読んでも新しい発見はありません。

しかし今回の議事録は興味深い内容でした。

それというのも、今回の議事録によると、315日のFOMCFRBのバランスシート縮小問題が議論されていたことがわかったからです。

連邦準備制度理事会はリーマンショックの後、米国の政策金利であるフェデラルファンズ・レートを事実上0%にしました。

しかしそれでもアメリカ経済は「クレジット・クランチ」と呼ばれる、貸し渋りの状況が起きました。

そこで景気を支援するため、FRBは市場から直接債券を購入することでキャッシュを市中に放出、金融緩和しました。

このようなオペレーションのことを量的緩和政策と言います。

この量的緩和政策の名残で、FRBは未だ沢山の債券を在庫に抱えています。それはFRBのバランスシートの膨張というカタチで痕跡を残しているわけです。

今回の議事録を読むと、FRBがバランスシートの圧縮の準備を始めるため、その具体的方法に関して討議したことがわかります。

しかし、どのようなペースで、どの水準までFRBのバランスシートを縮小するか? という手法なりターゲットと言ったものは示されませんでした。

基本方針として、マーケットを驚かせないように、透明性の高い、明快な方法で、粛々とバランスシートを縮小したいという意図は伝わってきました。

現在、FRBが在庫にしている債券のうち、償還期限が来て現金化されたものに関しては、もう一度市場で別の債券を買い直すことでFRBのバランスシートを「横ばい」に保っています。

したがってこの再投資を止めるということが、もっともシンプルなメッセージになると思います。

ただ、突然、再投資を一切やめてしまうのか? それともゆっくり再投資を縮小するのか? の方法論については未だ検討中のようです。

また償還は手持ちの債券の期日到来に左右されるため、バランスシート縮小のペースがギクシャクしたものになることを懸念する声もあるようです。従って、最低限の縮小幅を決めることで投資家がそれを予期しやすいようにした方が良いという意見もありました

さらに、現在行っている利上げに加え、新しくFRBのバランスシートの縮小というオペレーションも行うとなると、「二重の引締め」になってしまいます。そこで一旦、利上げの手を止め、しばらくの間、FRBのバランスシートの縮小だけを行うことで市場への影響を測りたいと言う意見もあります。

いずれにせよ今回のFOMC議事録は、ややタカ派だった印象があります。

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